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梅花の宴
梅花の宴とは、『万葉集』におさめられている梅花の歌三十二首が詠まれた宴の席で、この歌の序文から元号「令和」は名づけられました。
梅花の宴は、当時の大宰府の長官であった大伴旅人が自らの邸宅の庭で開催したもので、大宰府や九州諸国の役人など招かれた客人とともに、庭に咲く梅の花を題材に歌を詠み比べました。当時、梅は中国から渡来した高貴な花でした。
「梅花の宴」を再現した博多人形のジオラマ(山村延あき氏製作・公益財団法人 古都大宰府保存協会所蔵・大宰府展示館に展示)
官人たちの衣服の色
梅花の宴の参加者たちが身に着けるさまざまな色の衣服は、朝服(勤務服)といい、古代の役人たちは位によって朝服の色が定められていました。
位 | 服の色 |
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正一位~従一位 | 深紫(濃い紫色) |
正二位~従三位 | 浅紫(薄い紫色) |
正四位上~従四位下 | 深緋(濃い赤色) |
正五位上~従五位下 | 浅緋(薄い赤色) |
正六位上~従六位下 | 深緑(濃い緑色) |
正七位上~従七位下 | 浅緑(薄い緑色) |
正八位上~従八位下 | 深縹(濃い青色) |
正初位上~少初位下 | 浅縹(薄い青色) |
無位 | 黄色 |
また、本市では、太宰府市万葉会が1300年前の梅花の宴を再現した現代の「梅花の宴」を開催しています。このイベントでは、万葉衣装に身をつつんだ人たちが、当時詠まれた梅花の歌を朗唱します。
令和2年度に行われた梅花の宴(再現)の様子