本文
通史編別編
「古都太宰府」の展開
「古都太宰府」という太宰府市のイメージがどのようにして生まれ、いかに展開したかを明らかにしようとしたものです。構成は、序章「“太宰府学”と自画像としての地域史」と、「太宰府博覧会と菅公一千年祭」「近世における太宰府研究」「近代における太宰府研究」「太宰府の観光」「太宰府の史跡と文化財保存」「信仰の《場》としての太宰府天満宮」「九州国立博物館の誘致」の7章となっています。バラエティ豊かな「古都太宰府」の歴史を、興味深く読んでいただけることでしょう。
(約700ページ)
- 序章「太宰府学」と自画像としての地域史【有馬学】
第1節 地域史における〈研究〉と〈語り〉
第2節 歴史の引用/歴史の動員
第3節 本書の内容 - 第1章 太宰府博覧会と菅公一千年祭【日比野利信】
第1節 太宰府博覧会
第2節 「鎮西博物館」建設計画
第3節 菅公一千年祭
第4節 近代都市福岡の「発展」と「古都太宰府」 - 第2章 近世における太宰府研究
第1節 古代大宰府研究【重松敏彦】
第2節 『高橋(紹運)記』をめぐる諸問題【川添昭二】
第3節 岩屋城合戦関係軍記【川添昭二】
第4節 貝原益軒の菅原道真・太宰府天満宮研究【川添昭二】 - 第3章 近代における太宰府研究
第1節 江島茂逸と『維新起原太宰府紀念編』【日比野利信】
第2節 筑紫史談会の成立と活動【日比野利信】
第3節 高鍋日統と大陸山水城院【藤岡健太郎】 - 第4章 太宰府の観光
第1節 太宰府の観光産業【堤研二】
第2節 観光案内書にみる太宰府【野口文】 - 第5章 太宰府の史跡と文化財保存
第1節 戦前期における旧水城村の文化財保存行政の展開【福嶋寛之】
第2節 昭和二十年代における旧水城村の文化財保存行政の展開―文化財保護法発布前後―【福嶋寛之】
第3節 「開発」と「保存」─戦後太宰府における史跡保存問題【井上理香】
第4節 大宰府史跡発掘史【石松好雄】
第5節 文化財保存と市民参加【森弘子】 - 第6章 信仰の《場》としての太宰府天満宮【森弘子】
第1節 明治維新と太宰府天満宮
第2節 菅公頌徳と国民教育
第3節 天神信仰への回帰 - 第7章 九州国立博物館の誘致【高倉洋彰】
第1節 揺籃期の九州国立博物館誘致運動
第2節 百年の夢の実現へ
第3節 九州国立博物館設置の意義