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わたしたちの手でしあわせをひとつに第67集 インタビュー 山本美代子さん(読み上げ用)
山本 美代子さんインタビュー
インタビューに同席して感じたこと
インタビューに同席する中で、海外では当たり前に手話通訳がつくという話がありましたが、日本では自分でお願いしないと手話通訳などをつけられない場面が多いので、日本はまだまだ情報保障に関して努力すべき部分があるなと感じます。
手話は言語だということを広め続けて、使えるところでは手話通訳をぜひどんどん使ってほしいなと思います。そのためには手話通訳などを本人の負担ではなく当たり前に用意されているような社会になってほしいですね。
手話通訳者になったきっかけ
私はきこえない両親のもとで育ったコーダ(CODA「Children of Deaf Adults」の略。きこえないまたはきこえにくい親がいる、きこえる子どもたちのこと)です。
子どものころから両親に通訳することが当たりまえと思っていて、多くのサポートをしてきました。コーダがみなそういう状況というわけではないのですが、私自身は今でいうヤングケアラー(本来大人がになうと想定されている、責任や負担が重い家事や家族の世話などを日常的に行っているこども・若者のこと)だったと思います。
親元を離れて自分が親になってみて、親の大変さも分かるようになりました。そういうことを積み重ねて、自分にできることは何かと思ったときに、手話通訳かなと思ったんです。子どもが幼稚園に入ったころに講座を受講して、そのあと資格をとりました。だざいふ手話の会からの推薦でお話が来たのをきっかけに太宰府市役所に勤めるようになりました。
デフリンピックとのかかわり
デフリンピックのボランティア募集があれば、ぜひ参加したいと思っています。現在、デフバドミントンのナショナルチームの合宿が福岡で開催される時に、手話通訳として参加しています。
今回のデフリンピックは日本で開催されますし、第1回のデフリンピックが開催されてから100年目(第25回)という記念の大会でもあるので、何らかの形で関わりたいです。
手話通訳者としての思い
手話はずいぶん認知されてきたと思います。太宰府市は観光の方もたくさん来られる場所でもあるので、英語や中国語、韓国語などの通訳ボランティアがいらっしゃるように、手話言語の通訳もあるといいですよね。また、きこえない人たちが来られるときに、手話通訳をここに頼んだら派遣してもらえるなどの方法をお店の方が知っておくだけでもいいと思います。
私が手話通訳者として市役所にいることで、きこえない・きこえにくいことで生活に支障が出ている人たちに対して、何らかのつなぐ役割ができたらいいなと思っています。
太宰府市役所の福祉課にいるので、手話のことなど、ききたいことがあるときは気軽にお声かけください。
プロフィール
山本 美代子(やまもと みよこ)さん
太宰府市 健康福祉部 福祉課 専任手話通訳者