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国際交流員を紹介します
名前:金 辛泫(キム シンヒョン)
赴任日:令和3年4月1日
出身:ソウル市
趣味:音楽鑑賞
こんにちは、太宰府市国際交流員の金 辛泫(キム シンヒョン)です。
初めての就任挨拶をしてから、4年が経ちました。
私が国際交流員として勤務していた2年目までは、コロナ禍により直接的な交流が難しい状況でした。しかし、コロナの時期が終わり、再び本格的に国際交流が活気を取り戻しているのを実感しています。
最近、姉妹都市である扶餘郡から依頼がありました。
「以前、日本から交流のために自宅にホームステイで訪れた友人と、その後も連絡を取り続け、2021年に再開する約束をしていたが、コロナの影響で会えず、さらに携帯電話を変えたため連絡先が失われ、連絡手段がなくなってしまったとのことでした。その友人にもう一度会いたいが、もしその友人に連絡できるなら助けてほしい」という内容でした。
私はその交流を担当していた団体に連絡し、事情を説明し、もし相手も連絡を望んでいる場合は私に連絡してほしいとお願いしました。そして、しばらくして、非常に興奮した声で「こんな形で連絡が取れるなんて本当に嬉しいです。あの方ともう一度連絡を取りたいです」と電話がありました。
そして、二人は再び連絡を取ることができ、その後、依頼をくださった扶餘郡の方から「おけげで6年ぶりに再会できると思います。本当にありがとうございます」と感謝の言葉をくださいました。私はこの姿を見て、これこそが本当の国際交流ではないかと思いました。
皆さんが考える国際交流の姿はどのようなものですか?まだ国際交流が遠くて難しいものだと感じていませんか?
どうか、あまり難しく考えず、国際交流の可能性が小さな出会いや会話から始まることを思い描いていただけたらと思います。
私たちの周りでも、さまざまな文化や人々が交わる瞬間があります。友達との会話の中で、旅行を通じて、またはオンラインででも、私たちは他の国の文化に触れ、理解する機会を持つことができます。
国際交流は壮大なものではなく、私たちがお互いを理解し合おうとする気持ちから始まります。皆さんも日常の中で小さな一歩を踏み出してみませんか?
また、これからも「あまり知られていない韓国のこと」や「日本の人が思う韓国のイメージと実は違うこと」、「もっと詳しい韓国のこと」などの情報を国際交流員としてお伝えしていきます。毎月広報太宰府「国際交流・韓国」で韓国の情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。
業務内容と様子
- 姉妹都市扶餘(プヨ)郡のPR及び交流に必要な通・翻訳
市内小・中学校で韓国の言語と文化について授業 - 小・中学校の姉妹校交流に必要な通・翻訳
- 市民・団体からの依頼:通・翻訳、行政出前講座 等
- 市の案内サインやパンフレット等の翻訳
- 広報だざいふ「国際交流・韓国」作成
- 国際交流団体への支援活動
令和6年度国際交流員の活動の様子
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令和2年度以前の前国際交流員の活動の様子
扶餘郡へ文化財関連通訳
学校での授業の様子
歌を通して韓国語を教えている様子
市内老人クラブにて行政出前講座
太宰府市国際交流協会主催韓国語料理教室
広報だざいふ掲載コラム「国際交流・韓国」
広報だざいふには国際交流員が書いたコラムを掲載しています。(俳句や生け花と同じページに掲載されています)
韓国の文化や言語、日本との違いについて楽しく紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
これ以前のバックナンバーは広報だざいふのページをご覧ください。
引用
韓国の年末年始(令和7年1月号)
2025年、新年が明けました!みなさん明けましておめでとうございます。そしてセ ヘボッマ ニ パ ドゥセ ヨ(新しい年には福を沢山もらってください)。
韓国では1月1日をシンジョン(新正)と呼びますが、韓国はまだ旧暦が残っているので、新暦の1月1日をシンジョン、旧暦
の1月1日をクジョン(旧正)とも言います。そして、クジョンは「ソルナル」という韓国最大の祝日でもあります。
韓国は1989年までは1月1日~3日が祝日でしたが、1990年に1月3日、1999年に1月2日が祝日から除外され、現在は1月1日だけが祝日として指定されています。その理由は、1989年に旧暦の12月31日~1月2日(新暦では本年は1月28日~1月30日)を新たにソルナルの祝日として指定したからです。
韓国では1月1日になる前、年末から新年の挨拶とお祝いの言葉を交わします。放送局では演技大賞、歌謡大祭典などの年末特番を企画し、元日の1分前あたりから新年を迎えるカウントダウンイベントを行います。
ボシンガック(普信閣)という建物では、1月1日になった瞬間に合わせて鐘を33回鳴らします。元日には、初日の出を見ながら新年の願いをする人たちの行列が続き、各家庭ではトッククという餅が入ったスープを食べながら1年の無事を願います。
韓国の焼酎(令和7年2月号)
韓国で庶民の味として、一般的に思い浮かぶのが「サムギョプサル」と「焼酎(ソ ジュ)」です。物価の上昇でサムギョプサルの価格が高騰し、庶民の味と言えるのかとの声もありますが、焼酎はコンビニで約1,800ウォン(約190円)、食堂では約5,000ウォン(約530円)ほどの低価格で、いまだに庶民の味に位置づけられています。韓国の大衆文化にもよく登場するため、広く知られています。
韓国の焼酎は緑色の瓶に入っているのが特徴です。この背景には、2009年に国の環境部が焼酎メーカーに対して、焼酎瓶を共用で利用する「空き瓶共用化協約」を進めたことがあります。環境保護とコスト削減が目的でした。以来、メーカーに関係なく焼酎の瓶をリサイクルして販売するようになり、現在では韓国の焼酎の瓶といえば緑色というイメージになりました。
韓国では、どのくらいお酒を飲めるかの目安を焼酎何本分かに例えます。あるイギリスの酒類専門メディアで、世界で一番売れた蒸留酒は韓国ブランドの焼酎で、23年連続1位と発表がありました。なんと1秒に77本が売れるそうです。もちろん、このすべてを韓国人が飲み干したわけではないでしょうが、それでも高い数字であることは間違いないですね。
韓国の引っ越し文化(令和7年3月号)
新年度が始まるまであと1カ月。引っ越し準備の真っ最中の人、すでに太宰府へ引っ越してきた人もいるかもしれませんね。毎年4月から新年度が始まる日本と違い、3月から新年度が始まる韓国では、もう引っ越しは終わっている
時期です。韓国の代表的な引っ越しシーズンは2月です。そのため、2月に韓国へ行くとたくさんの引っ越し風景が見
られますが、その中で珍しいと思われるのが「サダリチャ(はしご車)」です。
はしご車とは、高い場所に荷物を上げるためのはしごを備えた車両です。韓国では引っ越しのとき、はしご車のはしごに荷物をのせて、ベランダや窓から荷物を出し入れして作業を進めます。はしご車を使うようになった背景には、1960年頃、韓国の都市化が始まり多くの人が都市に集まり、マンションに引っ越す人の数が増えたことがあります。この頃のマンションにはエレベーターがないことが多く、あっても狭くて荷物をのせることができませんでした。そこで、引っ越し業者が荷物を効率良く運ぶために考え出した方法が、建設に使われていたはしご車を使うことでした。
この他にも、引っ越し荷物の梱包から荷ほどきまでを引っ越し業者がすべて請け負う「梱包引っ越し」と併せて、現在の韓国の引っ越し文化が完成されました。