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施政方針(令和3年第1回(3月)定例会・令和3年2月25日)

ページID:0009795 更新日:2021年8月31日更新 印刷ページ表示

本日ここに、令和3年第1回定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては大変ご多用の中をご参集賜り、厚く御礼を申し上げます。
この定例会は、未曽有の新型コロナウイルス危機に全力で立ち向かい、私に与えられた市長任期の最終年度となります令和3年度の市政の根幹となります予算案をはじめ、主要施策並びに条例案をご審議いただくひと際重要な議会ととらえております。
議案提案に先立ちまして、今後の市政運営に臨む私の所信を披歴し、議員各位や市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げるものであります。
先月1月28日をもちまして市長に就任して3年が経過いたしました。思い返せば3年前のその日の深夜、選挙結果が確定すると同時に市長に就任し、御礼廻りはおろか睡眠もほとんど取れないまま翌朝には早速市役所に初登庁いたしました。
前職との引き継ぎはなく、副市長も教育長も空席で、旧知の職員もおらず、まさに一人きりでのスタートでありましたが、太宰府に新しい風を吹き込み、未曽有の混乱からの脱却を図るべく、その日以来ひたすら突き進んでまいりました。
おかげさまで、ここにおられる議員各位、職員諸氏、市民の皆様のご理解ご協力によりまして一年目で着実に混乱は収まり、初年度から市税が約6千7百万円、ふるさと納税も3千万円余りの増加を記録することが出来ました。
新生太宰府元年と銘打った二年目は、西鉄太宰府駅のリニューアル、地元筑陽学園高校の春夏甲子園出場、ホテルカルティア太宰府のオープン、そして何より、新元号令和のご縁をいただくなど慶事が続きました。
政策面でも、民間プール等を活用した小学校水泳授業、甲子園応援クラウドファンディング、市内大学との連携による不登校児童生徒への支援、時の旅人プロジェクトなど意欲的な試みを矢継ぎ早に続けてまいりました。
誇りうる歴史に改めて注目を受け対応に追われるなかでも、令和発祥の都として確実に飛躍を遂げ、全国魅力度ランキング41位を獲得するなど、私が公約で標榜しました日本を代表する世界に冠たる都にステップアップを果たせました。
そして三年目となる令和2年度を振り返りますと、やはりコロナに始まりコロナに終わる一年でありました。今なお緊急事態宣言は続いており、本市でも陽性判明者は累計200名に迫り、今後も対策対応に万全を期さなければなりません。
当初は令和2年度予算を令和還元予算と銘打ち、当時過去最大の250億円を超える予算を組み、一年目二年目の着実な市税、ふるさと納税増を可能とした積極的財政投資と地域の所得アップを図ろうといたしました。
しかし、国際観光都市、令和発祥の都として一昨年多くの観光客数を記録しましたが、昨年の4月5月は実に96%減という壊滅的状況に陥ったため、近隣市の3倍の額となる最大30万円のがんばろう令和支援金など思い切った策を断行しました。
一方、市長車制度の廃止など身を切る改革を始めとする歳出カット、昨年度の市税やふるさと納税増による剰余金、本年度のふるさと納税増分で3億円の独自財源を捻出し、総計15億円に及ぶ充実したコロナ対策メニューを可能にしました。
うれしいニュースもさまざまございました。就任二年目となる令和元年度決算も、令和発祥の都としての意欲的な取組の成果が実り、市税が約1億2千万円、ふるさと納税も約4倍、2億1千万円の大幅な増加を記録いたしました。
また、国や県からの補助金活用に努める一方、新たな借り入れを極力抑え、繰り上げ分も含め市債約6億7千万円の償還を実現しました。基金も新たに2億1千万円上積みする一方、コロナ禍でもその取り崩しを回避いたしました。
そうした成果が認められ、日経BP社の全国住みよい街ランキングで20位、ブランド総合研究所の市区町村魅力度調査では42位と上位を獲得し、その中でも多様な地域参加部門が1位、行政情報発信部門が6位と最も評価されました。
その他にも、3月にはかねてより訴えてまいりました私の公約を基に本市の底力総発揮構想、全世代居場所と出番構想、大太宰府構想、持続可能な太宰府構想を柱とした「太宰府市まち・ひと・しごと創生総合戦略(通称太宰府市まちづくりビジョン)」を打ち立て、鋭意実行に移しております。
4月には念願の地域包括支援サブセンターをとびうめアリーナ横のスポーツ振興事務所1階にオープンし、従来の地域包括支援センターと東西の役割分担を行うことで、よりきめ細かい高齢者の総合的な支援を可能にいたしました。
また同じく4月には特別史跡大宰府跡の一部古代の客館跡を整備して史跡広場とし、6月には従来の日本遺産「古代日本の西の都」を大太宰府構想の一環として近隣地域に広域化するなど、史跡の活用にも力を入れてまいりました。
7月には本市初めてとなる民間企業との人事交流を実現し、九州電力株式会社から東谷氏を観光経済部理事として迎え、本市若手職員を先方に送り出しました。また就職氷河期世代採用も初めて行い、7人を新たに受け入れました。
 昨年来国や県との人材交流も積極的に実行しましたが、民間勤務やさまざまな挫折を経験した新たな人材も複数受け入れることで本市の職場風土も活性化し、市の為市民の為にさらに働く組織に脱皮してくれると確信しております。
そうした人材が中心となって、9月には西日本鉄道株式会社と、11月には九州電力株式会社とそれぞれまちづくりに関する包括連携協定を締結するに至り、早速年末年始のコロナ対策や観光振興、産品開発などの新たなプロジェクトが動き出しております。
力を入れてまいりましたふるさと納税も、太宰府らしさや独自性を追求した返礼品のラインナップの充実やクラウドファンディングの活用などで着実に寄附額が増えており、就任当初額の10倍となる4億円の大台を達成いたしました。
陽性判明者が全国的に増加するなか、市に最もお客様が訪れる年末年始初詣の時期にはコロナ対策本部を設置し、西鉄太宰府駅などでマスクの配布やサーモグラフィの設置を行い、来訪者の体調管理と注意喚起を行いました。
併せて、太宰府天満宮や西日本鉄道等の関係団体と連携して3月末までの分散参拝を呼びかけ、電車のダイヤを例年と変更いただくとともに交通状況や駐車場満空情報の配信を積極的に周知しました。
その結果、交通情報案内サイトには前年と比べて正月3が日で3割増、3連休は5倍増という多数のアクセスをいただき、人出は前年比7割減という結果となり、大きなトラブルもなく年末年始を乗り切ることができました。
緊急事態宣言が再発出されたのちには、改めて注意喚起を促すとともに、感染した本市職員や濃厚接触者に認定された市民の方の声を受け、県内で初めて自宅療養者向けの食料、生活物資支援を打ち出しました。
また、大学や社会福祉協議会などと連携し、バイトや仕送りがなくなり厳しい学生生活を強いられる大学生留学生への食事支援も行いました。今後も必要な所にスピーディーに手が届く市政を貫いてまいります。
このように、一年目は未曽有の混乱からの脱却、二年目は令和発祥の都としての飛躍、三年目は未知のウイルス新型コロナウイルスとの戦いと、一年一年異なる難題に立ち向かう起伏の激しい三年間となりました。
しかしその間も、3つの工程と7つのプランに基づき、市政混迷の原因を明らかにし、徹底した情報公開などの発信を心がけ、議員各位、職員諸氏、市民の皆様と心を一つに市政再建に邁進し、太宰府の底ヂカラを引き出し本市を日本を代表する都にするべく、私の持てる力を出し尽くしてまいりました。
そして、私に与えられた市長任期最終年度となります令和3年度は、今なお続くコロナ危機に全力で立ち向かいつつ、私の公約に従い実行してまいりました諸施策を総仕上げ、総決算し、集大成とする二正面作戦の一年となります。
そうした決意のもと、令和3年度の当初予算案は、コロナ禍を乗り越えるため積極的に投資する側面と市長任期最終年度における公約達成の集大成の側面を併せ持つ「コロナ危機を乗り越え公約を実現する積極的集大成予算」と位置付けました。その結果、昨年度比5億円、2%増の総額255億円あまり、過去最大規模となっております。
これは、新型コロナウイルスの影響による戦後最悪とも言われる危機に対して、昨年度策定した太宰府市まちづくりビジョンの「成長戦略」「移住定住戦略」「圏域拡大戦略」「行財政改革戦略」という4つの戦略をベースに、「経済活性化」「財政健全化」「新たな生活様式」というコロナ対策の3つの視点を組み合わせ、大胆かつ柔軟な発想を取り入れ予算編成を行ったものです。
一方、予算の編成にあたっては、義務的な支出以外の経費を前年度予算比で5%以上の削減に努めるとともに、各部単位で3つ以上提案するボトムアップ事業については、新規事業を提案する際は既存事業の改善・廃止を併せて行うことで財源の捻出・確保を行う「スクラップアンドビルド」を要件とするなど、徹底した事業の精査を行い、支出の見直しや効率化、いわゆる無駄の削減、効率のよい運営を図りました。
また、職員一人一人が常に世の為人の為市の為市民の為という当事者意識を持って、主体的、積極的に取り組むこととし、前例に捉われず、自由な発想と創意工夫をもって、中長期的視点に立った企画立案を心掛けるよう、三役・部長・課長合同会議並びに係長・一般職員も対象にした自主研究の場で自ら経営方針・予算編成方針を語りかけ、その共有を図りました。
財源につきましては、まず実に約6億円、7・3%激減すると見込まれている市税の穴を埋めるため、3つの2億円を捻出いたしました。
一つ目は、まほろば号の一部路線における運賃の見直しや施設の利用料金見直しによります収入増、職員の働き方改革に伴う時間外勤務手当等人件費の予算の削減、各種補助金の見直し、公共施設改修の抑制、緑地公有化の見直し、その他徹底した事業の精査を行い支出の見直しや効率化を図ることで、換言すれば徹底した行革、聖域なき歳出入一体改革を断行することで、約2億円を捻出いたしました。
二つ目は、ふるさと納税の令和3年度の寄附額目標を令和2年度当初予算時の3億円から4億円増の7億円に設定し、経費を差し引いた実質増収分約2億円を新たな財源といたします。
三つ目は、苦渋の決断として私の市長就任以来積み増してまいりました財政調整資金積立金約2.7億円のうち2億円の取り崩しをすることにいたしました。
前例のないチャレンジとなりますが、この未曽有の危機を乗り越え、市民の負託に応えるべく、私の持ちうる力の全てを出し尽くす覚悟であります。
それでは、令和3年度予算案の重点項目につきまして、順次概要をご説明申し上げます。
はじめに第1の戦略「太宰府の底力総発揮構想(成長戦略)」について述べます。
この構想、戦略は、本市を太宰府天満宮を始めとする名所や、令和発祥の地となった大宰府政庁跡などの価値ある史跡、5つもの大学・短大など他市を圧倒する多くの歴史的文化的資源を有し、活気ある福岡市のベッドタウンにも位置する魅力あふれる都と位置付け、民間活力の活用を始めあらゆる手段を知恵を駆使して総結集し、本来の底力を遺憾なく発揮することで、「令和発祥の都」としてさらに羽ばたき、我が国そして地方の牽引役にふさわしい役割を果たそうとするものです。
まず「回遊型観光ルート活用促進事業」です。一昨年の10月に待望の宿泊及び飲食施設「ホテルカルティア太宰府」が開業し、新型コロナウイルスの影響下にもかかわらず密となりにくい独立した空間であることから、宿泊の稼働率も今なお高く好評を博しております。
今年度中に更に2棟が開業予定となっており、今後も民間事業者と連携しながら、太宰府の資産を活用した古民家ホテルを始めとした宿泊施設の充実などにより中長期滞在型旅行者の市内への取り込みを図り、さらなる地場産業創出に努めます。
また、近隣とも観光連携しながらPR活動やイベントなどを通して観光客のさらなる増加を図ります。回遊ルートについても引き続き推奨コースを提示し、民間事業者などの旅行企画につなげます。
さらに、まほろば号の既存路線を観光路線としても活用しながら、回遊ルートなど太宰府の観光PRを行ってまいります。
加えて、景観まちづくりを推進し、古民家や門前町周辺の建物の改修等に助成することで、歴史の街なみ整備による観光客の増加を図ります。
次に「令和発祥の都太宰府「梅」プロジェクト推進事業」につきましては、かねてより訴えてまいりました超成長戦略の中核として、令和発祥の都となった太宰府の梅の価値に改めて注目し、史跡地の梅の活用が可能となった規制緩和を追い風に、梅を使った新製品の開発に注力します。
その製品を新たな地場みやげ産業として振興し、ふるさと納税にもノミネートする事で税収の飛躍的増加を図ります。
併せて、梅の木を植栽し、産地拡大を図るとともに、市内生産者が、梅をはじめとする農産物を出荷する際の手数料の一部を補助することにより、特産品開発の原材料となる農産物の可能性の拡大に寄与します。
なお、本事業の実施にあたっては、梅のネーミングライツのクラウドファンディングなどにより事業費の一部を寄附金で賄います。
次に「起業創業支援、地場産業育成・活性化事業」につきましては、令和2年度に本市の制度融資における預託額を倍増させるとともに、併せて「がんばる中小企業応援事業補助金」を創設し、市内事業者の経営の安定向上に資する取り組みを行っているところです。
令和3年度は更なる融資の円滑化と貸付額の増加に向け、この預託額を更に増額し、深刻な打撃を受けた地域経済の活性化を図ります。
また、引き続き産業推進協議会において、本市の産業・特産品等に関する進むべき方向性を検討していくとともに、創業者及び既存事業者に対する支援についても、更なる商工会との連携のもと、専門家による相談対応等、事業者への経営相談の充実を図ります。
併せて、庁内企業誘致プロジェクトチームを立ち上げます。
次に「民間企業との積極的交流事業」ですが、これまでも西鉄や九電を始め多くの民間企業や団体と連携を図ってまいりましたが、今後も積極的に交流し、民間の活力や資本を最大限活用し、ノウハウの取得や人材育成など、最小の投資で最大の効果を上げるよう取り組みます。
次は「各種証明書のコンビニ交付事業」並びに「市域西側における各種証明書の交付事業」です。
現在は住民票や印鑑証明書、戸籍謄抄本といった各種証明書が市役所まで来られないと即日発行ができず、市役所から遠方の方にご不便をかけておりました。
このような課題を受けまして、個人番号カードを利用してコンビニエンスストアのマルチコピー機で各種証明書の交付ができるように整備するとともに、各種証明書を交付する窓口をとびうめアリーナに隣接したスポーツ振興事務所内包括支援サブセンターで毎月第2・第4日曜日の午前中に開設し、市民の利便性の向上と緊急時に備えた窓口機能の分散強化を図ります。
今後もこうした知恵をしぼった施設の有効活用など効率のよい運営を心がけます。
次は「人材育成活性化事業」です。
これまでも市職員を積極的に国、県、周辺自治体や民間企業など外部と交流させるなど人材育成をサポートし、プロジェクトチームを組ませるなど役所内のチーム力を発揮させ、長所を引き出すことを心がけてまいりました。
新卒者向けの採用試験におきましては、能力や適正に優れた人材を確保するためには、従来のような教養試験や面接試験だけではなかなか難しいこともあり、従来の知識偏重ではなく「性格特徴」や「知的能力」を測定するSPIテストを行います。このテストは全国のテストセンターで受験可能で、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からも優れています。
また、新たに人事評価システムを導入し、評価者、被評価者が客観的基準に基づき運用することで人事評価制度の精度向上、人材育成における評価結果の活用促進を図ることが可能になります。
これらの導入により、人材の獲得、育成の活性化を図ります。
さらに、就職氷河期世代向け採用も再び行います。
次は「ふるさと納税改革事業」です。ふるさと納税につきましては、私が就任いたしました平成29年度の寄付額は約4千万円でした。それから「THE DAZAIFU プロジェクト」や「THE REIWA プロジェクト」における太宰府らしい返礼品開発や甲子園応援、令和記念モニュメント、コロナ支援クラウドファンディングの実施など、先進的な取り組みを行った結果、先ほども申し上げましたとおり、令和2年度は既に4億円を超え、10倍以上となりました。
令和3年度は寄付額7億円を目標に、令和発祥の都太宰府「梅」プロジェクト推進に伴うふるさと納税返礼品提供事業者及び返礼品数の更なる拡大、寄附者への寄附金の使途の明確化、ふるさと納税PRの全庁的な取り組みへの拡大及び寄附者の約7割を占める関東・関西圏への広報強化、ふるさと納税サイトの更なる増設、クラウドファンディングの市の事業財源確保への活用、企業版ふるさと納税の実施など、ふるさと納税のシステムを最大限生かした取り組みを実施し増収を図ります。
次は第2の戦略「太宰府型全世代居場所と出番構想(移住定住戦略)」について述べます。
この戦略、構想は、本市を近隣に比べ高齢化率が高く、一方で学生が多く集う市であり、また活力ある福岡市のベッドタウンであり、令和効果により居住意欲度も上昇中で、子育て世代の自然増や社会増も期待できると分析し、こうした現状を踏まえ、かつてこの地が舞台となった万葉集の精神にもならい、全世代が居場所と出番を持てる本市ならではの心温まるまちづくりを進める、換言すれば生活支援戦略を進めることで、日本一住みやすく世界一元気な都を目指そうとするものです。
まず「広報戦略関係事業」ですが、私は市長就任以来、市民参画の行政、街づくりで地域を創生していく事につきましては、非常に重要と考えておりまして、これまでも市長と語る会の実施、ホームページやFacebookなどによるタイムリーな情報発信、市民の意見箱へのオープンかつスピーディーな対応、三役も登場する広報だざいふのリニューアルなど、広報機能の充実を図ってまいりました。
こうしたことを受けまして、日経BPが行いました「シティブランド・ランキング」において、市民への情報発信の分野で全国6位の好評価をいただきました。
今後も昨年11月に導入いたしました「太宰府公式LINE」や動画による配信など、Withコロナにも対応可能な、多様な情報ツールを使って効果的な情報発信を図ります。
次に「市民参加のまちづくり事業」です。
これまでも市長と語る会を定期的に自治会ごとに開催し、市長室に招いたり自ら学校などに出向くなどのかたちでも積極的に市民の皆様と対話を重ねてまいりました。最近はリモート会議なども活用し、その数は年間100回を超えます。
また、子ども学生未来会議では高校生から学校内への目安箱設置を提言され、早速小中高大学校に設置を完了したところです。
さらに、太宰府市まちづくりビジョン策定の際には産官学等の有識者からなります太宰府市総合戦略推進委員会、いわゆる「まちづくりビジョン会議」を令和元年度に立ち上げまして、委員の皆様からそれぞれの知見に基づいた貴重な多くのご意見をいただきました。
こうしたことを受けまして、日経BPが行いました「シティブランド・ランキング」において、多様な市民参加の機会の分野で全国1位に輝きました。
令和3年度はまちづくりビジョンの進捗状況を確認いただきながら、市政全般についても大所高所から引き続きご意見をいただき、スムーズで大胆な市政運営に活かしてまいりたいと考えております。
また、第五次総合計画の総括につきましては、市民意識調査による市民の皆様の声も参考にしつつ行ってまいります。
次に「ICTを活用した先進教育推進事業」につきましては、GIGAスクール構想の推進により、主要なハード面の環境整備が令和2年度でほぼ完了することから、令和3年度以降は基本教育の充実はもちろん、ICTの活用を推進する先進教育の取り組みを実施いたします。
教職員の研修やサポート体制の充実、指導者用デジタル教科書の導入など、ICTを活用した授業づくりを行います。
さらに個別学習や家庭学習を含め、タブレット端末を利用した学習を推進してまいります。
次に「STEAM教育の推進事業」につきましては、市内民間企業と連携して、小学校でプログラミング教材を用いたオンライン授業を推進するとともに、夏休み等の長期休暇にプログラミングやものづくり、科学体験といったSTEAM先進教育の学びの場を提供いたします。こうした取り組みを通じ、新たな人材の輩出と先端知的集約産業創生を目指します。
次に「中学校ランチサービス利用拡大事業」につきましては、これまでも就学援助の対象としたり、利便性を高めたりすることで、喫食率は二桁台まで高まってまいりました。コロナ禍のなかではありますが、来年度はさらに予算を倍増し、ランチサービスに先進的に取り組んでいる自治体や事業者の調査研究、中学校在校生および小学校6年生の試食会を行うなど、内容の充実や児童生徒への魅力の周知などを図ることで、まずは喫食率の倍増を目標に利用拡大を図り、中学生のより良い給食環境を整えます。なお、今後さらなる環境の向上を図るべく、議論を重ねてまいります。
次に「中学生の通院にかかる医療費助成事業」につきましては、福岡県子ども医療費支給制度改正に伴い、本市におきましても、令和3年4月から通院医療費に対する助成を現在の小学校6年生から中学校3年生まで拡大いたします。
次に「国民健康保険税の未就学児に係る均等割減免事業」につきまして、新型コロナウイルスの影響により、収入の減少が見込まれる中、子育てにかかる経済的負担軽減を図るため、令和3年度課税分の国民健康保険税の未就学児に係る均等割の5割軽減を実施します。
「保育所等施設整備事業」につきましては、これまで小規模保育施設の開設や既存施設の増改築により、定員増を最優先に取り組んでまいりました。また、全国的に課題となっている保育士の確保についても、新たに保育士確保事業を開始するなど、受入れ児童の増に取り組んでまいりました。
新年度は、こうした待機児童解消の取組みを一層加速化させるために、新たに定員120名規模の保育施設1園を公募し、令和3、4年度の2か年で整備を行い、更なる待機児童対策を進めます。
次は「子育て世代包括支援センター事業」です。
これまで、母子保健と子育て支援それぞれの部署で対応していた子育て世代への支援について、ワンストップの相談窓口で対応する「太宰府市子育て世代包括支援センター」を新たに開設します。
「母子保健コーディネーター(保健師)」と「子育てコーディネーター(保育士)」を配置して相談体制の強化を図るとともに、妊婦さんや赤ちゃんがいる世帯に対して支援を行う、産後ケア事業と産前・産後サポート事業を実施し、母子保健と子育て支援の分野が一体となって、就任時からの念願でありました妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援体制を構築します。
この他にも、学童保育の充実やキャリア教育の推進、市内の高校や大学・短大との連携など着実に進めてまいりました。また、水城小学校の改築に係る基本実施設計や障がいを持つ児童たちの思いに応えたエレベーター新設工事などにも踏み出します。こうした取り組みを通じ、学問の神様にゆかりのあるまちにふさわしい教育、子育てをさらに推進してまいります。
次に「地域福祉計画策定事業」につきましては、第三次地域福祉計画の実施期間が令和3年度までとなっておりますことから、令和3年度中に、「全世代に居場所と出番のある太宰府」というまちづくりビジョンにおける目標を踏まえ、地域共生社会実現に向けての指針となる第四次地域福祉計画を策定します。また、計画策定にあたっては、既存の各福祉分野の計画の内容と整合性を図りながら策定します。
次に「障がい者福祉拡充事業」につきましては、令和2年度中に策定いたします「第五次障がい者プラン」に基づき、障がい者福祉のさらなる充実を図ります。
「生活困窮者自立支援拡充事業」については、新型コロナウイルスの影響で失業や収入減少などによる生活困窮者の増加が見込まれることから、生活困窮者家計相談支援や自立相談支援、就労準備支援、住居確保給付金の予算の拡充など、各種支援事業の充実を図ります。
次は「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業」です。
これまでも念願の地域包括支援サブセンターを開設し、市内全域での相談体制の充実を図るとともに、積極的に地域に出張して相談を行うなど相談しやすい体制を心がけてまいりました。
今後も、健康寿命の延伸を目的に、保健事業と介護予防の一体的な実施が求められておりますことから、県の後期高齢者医療広域連合および市の関係課と連携し、高齢者への個別支援と高齢者の「通いの場」への積極的なかかわりを組み合わせながら、保健指導やフレイル予防等の健康教育・相談等総合的な取り組みを実施します。
また、「地域における運動習慣定着促進事業」として、スポーツ推進部門と介護予防部門が連携し、民間事業者と協力したケア・トランポリン教室などを新たに行うことにより、高齢者を中心に運動習慣の定着を図り、健康寿命の延伸並びに医療費等の適正化を図ります。
こうした取り組みを通じ、引き続き高齢者の活動の場を支援します。
次に「不登校児童生徒支援事業」につきましては、不登校児童生徒が増加傾向にある中、つばさ学級に在籍している児童生徒の人数が増加しているため、いきいき情報センター等を利用して、「第2つばさ学級(仮称)」を定期的に開設することで、児童生徒のさらなるきめ細かい支援を行います。
「東京オリンピック聖火リレー事業」につきましては、東京2020オリンピック競技大会の1年延期に合わせ、本市の聖火リレーも令和3年5月11日に変更が決定しています。新型コロナウイルスの動向を注視しながら、聖火リレーの内容の簡素化及びコロナ対策について、国から示されるガイドラインに基づき進めてまいります。
次は「空家等対策事業」です。
空家となる原因として、不動産評価額、固定資産税、相続問題等の理由で空家に至るケースが多いことから不動産団体や各種専門家等の関係機関、民間団体と連携、協力し、所有者の相談内容に適した各団体への橋渡しを行い、空家化の予防、空家の解消及びその有効活用を図ります。
次に「人権尊重のまちづくり事業」につきましては、令和2年12月25日に「太宰府市部落差別の解消の推進に関する条例」を施行し、部落差別は決して許されないものであり、その解消に努めることが市の責務であるとの姿勢を明らかにしました。今後は本条例の主旨目的などを市民に対して広く啓発していくとともに、部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消に向けて、総合行政として更なる取り組みを進めてまいります。
次は第3の戦略「令和発祥の都にふさわしい大太宰府構想(圏域拡大戦略)」について述べたいと思います。
この構想、戦略は、本市が太古から世界・アジアの玄関口として、我が国・西日本・九州の政治・外交・防衛の要衝として栄えた歴史を持ち、当時の大宰帥大伴旅人による梅花の宴の様子を描いた万葉集より新元号令和が生まれたという強みを活かし、時空を超えてこの地を捉え直し、令和発祥の都にふさわしい大きな視点で史跡の維持保存・活用や国際交流、地域間連携を考えることで、交流人口、関係人口の拡大による経済効果上昇や交通手段の充実に踏み出そうとするものです。
まずは「史跡100年プロジェクト推進事業」です。
本年は、大正10年に本市が誇る大宰府跡・水城跡が我が国で初めて史跡指定を受けてから100年の節目となります。これを機に1300有余年の歴史に思いを致し、更なる100年先の未来への展望を立てなければなりません。
先日は昨年断腸の思いで中止といたしました令和考案者とされる中西進先生の講演会を、コロナ対応のリモート形式で開催し、直々に令和発祥の都太宰府の意義をひもといていただきました。この成果を後世にも引き継いでまいります。
3月には近世・近代の日本文学に造詣が深くテレビでもお馴染みのロバート・キャンベル氏などをお招きし、それぞれ太宰府の歴史や文化の意義やこれからの100年先の未来を語り合っていただきます。
また、昨年新型コロナウイルスの影響により中止を余儀なくされた全国619自治体で構成する全国史跡整備市町村協議会太宰府大会を、令和3年度に異例の仕切り直しをし、開催する運びとなりました。
史跡100年の記念事業として本市の誇る史跡を改めて内外に知らしめ、大太宰府的な観点から本市の取り組みや提言を全国に向け広く発信していくとともに、今後100年に向けた活用ビジョンを打ち出してまいります。
そのためにも、太宰府市文化財保存活用地域計画を策定し、これまでの先人の取り組みに敬意と感謝を表するとともに、これからの100年先を見据えた大宰府政庁跡を始めとする文化財の保存活用について意欲的計画的に推進してまいります。
次に「史跡地管理事業」ですが、「令和発祥の都太宰府」の個性のひとつである史跡の維持管理及び史跡整備を効果的に進めてまいります。
また、令和2年度の地方分権改革推進提案で実現した史跡地の規制緩和を活かしまして史跡管理のために生じる廃棄材等の有効活用を図るとともに、史跡散策などで訪れる方々から受益者負担を求める取り組みにつきましても積極的に検討いたします。
次に「キャラクターを使ったシティプロモーション事業」につきましては、様々な形で継続的に地域に関わっていただく「関係人口」の創出・拡大に向けて、令和発祥の都PRキャラクター「旅人のたびと」「れいわ姫」「おとものタビット」を活用したシティプロモーションを積極的に展開します。
既に、中西進先生をお招きした史跡100年記念事業では、地元学生が「旅人のたびと」「れいわ姫」に扮し会に彩りを添えてくれました。今後はキャラクターグッズの製作なども検討してまいります。
さらに、排気量50CC以下の原付バイクのナンバープレートに、同キャラクターをデザインし、オリジナルナンバープレートとして新規または変更登録の際希望者に交付するなど、キャラクターの認知度アップと太宰府市のPR強化を図ります。
次は「市内幹線道路渋滞対策事業」です。
本市は国内有数の観光都市であり、渋滞対策は大きな課題となってまいりました。これまでも着実な道路整備、交差点、信号などの改善、歴史と文化の環境税の継続活用、交通規制やパークアンドライドの推進などで渋滞解消に努めてまいりました。また、国、県、周辺自治体メンバーも含む総合交通計画協議会や地域公共交通活性化協議会などを通じ、交通のあり方について議論を重ねてまいりました。
そうしたなか、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、観光客による密集対策として太宰府市交通情報案内システムの積極的活用を呼びかけたところ、これまでになくアクセスが増加し、大きな効果を発揮しました。
今後は、このノウハウを活かし混雑時期に合わせ積極的にシステム活用を呼びかけるとともに、市内の主要交差点や駐車場のライブカメラをさらに整備することで、太宰府観光の分散化を促し、言わば環境重視の逆転発想で渋滞解消を図ります。
また、国分・坂本地区は住宅開発による人口増加に伴い、今後交通渋滞がさらに深刻化することが懸念されることから、国分・坂本地区の幹線道路整備を検討いたします。
県道筑紫野古賀線は、引き続き国や県と連携し、整備促進に努めます。
最後に第4の戦略「1300年の歴史に思いを致す持続可能な太宰府構想(行財政改革戦略)」について述べます。
この構想、戦略は、令和発祥の都太宰府が歩んできた1300 年を超える国際的、文化的都市としての悠久の歴史に思いを致し、次なる1300 年後までその時の流れと令和の慶びを伝えていくため、本市ならではの防災力の強化、市街地の活性化、公共施設や諸団体などの再編、見直し、地域コミュニティの強化・再編、ごみ減量を始めとする環境負荷低減、ICT活用などによる行財政改革を進め、持続可能なまちづくりを推進しようとするものです。
まず「安全・安心のまちづくり事業」につきましては、市のハザードマップやコミュニティ無線の更新、プラム・カルコア太宰府敷地内防火水槽の改修及び梅香苑地域防火水槽の移設工事など、市民の安全・安心を守るための避難対策や防災対策事業を行います。また、引き続き近隣自治体や関係自治体、消防、警察、自衛隊、ボランティア団体などと災害連携を図ります。
次に「川原地下道浸水対策事業」につきましては、近年頻発する集中豪雨の増加や市街地開発の進展により、床上・床下浸水や道路冠水などの被害が各地で発生しています。本市におきましても特に豪雨の際は冠水の危険がある川原地下道の排水施設の整備を行います。
次に「中心市街地活性化検討事業」につきましては、市街地の活性化の項目において五条エリアにおける駅や公共施設を活用した活性化を検討するとし、PFI/PPPの手法を使った再開発、整備を鉄道会社との緊密な連携を図りつつ検討するとしているため、周辺道路網の改善や有効な土地利用方法などについての検討を行います。
次に「市内生活道路整備拡大事業」につきましては、側溝蓋掛け工事や交差点改良工事等の生活道路改良工事を、計画の前倒し等で令和3年度の事業予算を拡大し実施いたします。
次に「河川改良事業」につきましては、高尾川周辺は、全体として宅地開発が進んでおり、このため雨水の流出が増大し、集中豪雨時の河川氾濫による道路や農地の冠水被害が発生しています。そこで、地域住民の安全安心を確保するため、改善に向けた高尾川改修の検討を行います。
次に「公共下水道整備事業」につきましては、下水道のマンホールの老朽化した蓋の更新を前倒しで行うとともに、一部の地区には蓋に市の特色あるデザインを検討し、市民や市を訪れる観光客に公共下水道のPRを図ります。
なお、上記三事業は、市民の生活環境の改善と新型コロナウイルスの影響で落ち込む経済活性化を図る「太宰府版ニューディール」として、1億円超の予算をかけて緊急的に実施いたします。
次は「公共施設等総合管理計画改訂事業」です。令和3年度に公共施設等総合管理計画の改訂を予定しておりますが、その中で公共施設等の総合的な適正管理の取り組みを進めていくとともに、現行施設の統合や複合化も含めた施設のあり方やPPP手法及びPFI手法の導入可能な公共施設の検討などを進め、公共施設の再編の方向性を示せるよう努めてまいります。また、引き続き公共施設のトイレを洋式に更新してまいります。
次に「第四次環境基本計画策定・推進事業」ですが、国の第五次環境基本計画を踏まえ、「健康で心豊かな暮らしの実現」「地域ストックを活用した持続可能な地域づくり」「持続可能な脱炭素・循環型都市」の3つの柱を重点戦略として、現在第四次環境基本計画を策定しております。策定後は、市民・自治会をはじめ、NPO・ボランティア、学校、事業者などの多様な主体と連携・協力しながら、本市の良好な環境の保全と創造のために計画を推進してまいります。
最後に「庁内ICT事業」につきましては、令和3年度に更新時期を迎えるシンクライアントシステム、住民情報に係る基幹系システム、GIS(地理情報システム)及び市ホームページなどを更新し、ICT環境の再構築を図ります。また、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、外部より本市初のCIO補佐官を公募します。
以上、令和3年度予算「コロナ危機を乗り越え公約を実現する積極的集大成予算」の重点事業についてまちづくりビジョンに沿って詳細にご説明してまいりました。
重ねてとなりますが、実に6億円、7.3%もの市税の激減が見込まれるなか、その穴を埋めるばかりではなく、未曽有のコロナ危機を乗り越え、公約実現の集大成ともする二正面作戦は至難の業と言えます。
さらには、戦後以来国家最大のプロジェクトとも言われるコロナワクチン接種事業がこれからまさに始まり、市をあげて準備を重ねておりますが、我々基礎的自治体はその最前線に立つことになります。
あくまでも市民本位を追求しつつ、一日も早い収束を目指すため、まずはいきいき情報センターととびうめアリーナという本市が誇る最も利便性の高い二つの公共施設の一部を接種会場に選定することといたしました。
施設を日頃より利用していただいている皆様におかれましては大変ご不便をおかけすることになりますが、多くの市民の皆様の命を守るための取り組みでありますので、何卒ご理解ご協力を賜れればと思います。
なお、昨日の大臣会見でのワクチン接種時期の後ろ倒し発表でも明らかなように、国からのワクチン配布状況や医療機関などとの連携のあり方などにより今後急きょスケジュールや内容が変更になる場合も十分あり得ます。
可能な限り臨機応変に対応するとともに、市民の皆様により良い環境を提供出来るよう努力を重ねてまいりますが、本市だけでは決定しかねる部分も多々ございますので、この点もご理解いただければ幸いです。
また、後日提案をいたしますが、緊急事態再発出ののち改めて観光客は減少し、市民生活も委縮するなか、新たな経済対策、生活支援策なども速やかに実行に移さなければなりません。
こうした不透明さを増す厳しい状況のなか、私に与えられた市長任期の最終年度となります令和3年度も、これまでにも増して難しい舵取りを迫られること必定でありますが、世の為人の為、市の為市民の為に、私の持ちうる力を振り絞り、全てを出し尽くす覚悟であります。
結びに改めまして、議員各位、市民の皆様の変わらぬご理解、ご協力を伏してお願い申し上げ、私の施政方針と致します。

令和3年2月25日

太宰府市長 楠田 大蔵

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