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所信表明(平成30年第1回(3月)定例会・平成30年2月22日)
この度、太宰府市第6代市長に就任致しました楠田大蔵であります。誇りうる歴史を持ち全国に名を馳せる太宰府の市政を担わせていただくこととなりましたことは、まさに万感胸に迫り、身の引き締まる思いであります。固より浅学菲才でありますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日ここに、平成30年第1回定例会を招集いたしましたところ、議員各位には大変ご多用の中をご参集賜り、厚く御礼を申し上げます。皆様に於かれましては、市民の代表として本市の更なる発展と住民福祉の向上のため昼夜を問わずその任にあたられておりますことに心より敬意を表します。
また、寒さ厳しき折、市内外の多くの皆様にわざわざこの場にお運びを頂き心より感謝申し上げます。そして本日はお越し出来なかった多くの皆様にもご注目を頂いております。皆様のご期待に最大限お応えできるよう全力を尽くして参りますことを改めてここにお誓い申し上げます。
さて、市長就任後初めての定例会の開会にあたりまして、こうして所信を表明する機会を与えていただきました。この機会に今後の市政運営について私の決意の一端を申し述べさせていただきます。
私は、本市に隣接する筑紫野市で地方議員を務める家庭で生まれ育ち、物心ついた時から世の為人の為に一身をなげうつ政治家という仕事を意識して参りました。その後東京で学び、大阪で銀行勤務をし、国家公務員試験で行政の勉強を経たのち、今は亡き我が政治の師羽田孜元総理の下で政治を学びました。羽田先生は本当に私心のない人で、終生国民の為に政治改革を貫いた政治家でした。
そうした環境の下で歳を重ねた私にとって、27歳で地元に戻り政治の道に身を投じることは必然とも言えました。太宰府市を始め筑紫地区朝倉地区からなる衆議院福岡5区という広域で15年間活動を続け、良い時も悪い時もありましたが、多くの皆様から育てて頂き、衆議院議員3期、防衛大臣政務官という政府の一員としての役割も担わせて頂きました。
こうした経験を経たのち浪々の身となっていた私が、時あたかも混迷を深め様々な課題を抱えていた太宰府市政を担わせて頂くことになりましたのは、言わば運命のめぐり合わせ、与えられた政治家としての使命だと認識しております。今こそ42歳の若さ、しがらみのない発想力、国政での経験などを生かして太宰府市政に新しい風を吹き込み、一身をなげうって真の市政改革実現に邁進する覚悟であります。
私は、選挙戦を通じ太宰府市政を改革する3つの工程と、太宰府を日本を代表する都(まち)にする7つのプランをご提示致しました。3つの工程は、本市の混迷を建て直し市政改革に踏み出すスケジュールをまとめたもの、7つのプランはそのうえで本市を日本を代表する、世界に冠たる都にするための街づくり計画です。
やはり市政改革は一人では到底成し得ません。その為の環境整備が必要です。私は先の市長選を終えた後、過去は全て水に流し、市と市民の未来の為にあらゆる方々と心を一つにしていくべき旨を宣言致しました。まずは、市政運営にあたりまして、経験豊富で市と市民の為の活動を実践して来られた議員各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
また、市職員との連携も必須であります。就任直後の訓示や経営会議、職場廻りの際にも、職員諸氏に対し「経験を積み現場を知る皆さんの話を頭から否定することはせず、まずは何でも聞かせてもらいたいので、何かあればすぐに相談に来て欲しい。」と伝えております。市と市民を第一に考える、風通しの良い職場を心がけます。その為にも、空席となっている副市長と教育長を出来るだけ早く任命致します。
そして何より市民の皆様と心を一つにすることが重要であります。市民皆様の信頼なくして市政は成り立ちません。就任後すぐにまとめた平成30年度当初予算で、真っ先に市長と語る会費を計上し、公共施設改修予算をじっくり見極める為にその大部分を6月補正予算に延長したのもその為です。市と市民のより良い未来の為、皆様との対話と公共施設のあり方の見直しなど予算の効率化を心がけます。
こうした工程による環境整備を経て、いよいよ太宰府を日本一住みやすい都、世界一元気な都にするべくプラン実行に力強く踏み出さねばなりません。本市の抱える大きな課題の一つは財政再建です。徹底した行政改革は当然のことですが、やはり中長期的な歳入増加策が重要です。その方策として、私はいわゆる大太宰府構想と超成長戦略を掲げました。
例えば本市には年間一千万人にも迫る多くの観光客が訪れ、日々賑わいを見せております。しかしそれに見合う税収に繋がっていないのが実情です。そこで近隣自治体との積極的連携や本市独自の地場みやげ産業化を進めることで、飲食、買い物、宿泊まで含めた長期滞在型の観光産業化を実現し、税収増を図ります。また長期的な交通大動脈計画を策定し、更なる人の往来と渋滞解消も目指します。
そうした自主財源の確保と同時に、中学校完全給食化を含む子育て支援や先進教育、高齢者支援、空き家対策など生活支援戦略を実行することで、本市の生産年齢人口の自然増と社会増を促し、先端知的集約産業の発展にも繋げます。こうした戦略により地域の所得増加と積極的財政投資の好循環を生み出し、永続的税収の安定化を目指します。
具体的には第2回定例会において、施政方針並びに補正予算提案を通してお示しする予定です。
重ねて申し上げますが、本市には誇りうる歴史や全国に轟く知名度、多くの観光資源等に加え、何より郷土を愛し情熱を持つ市民の方々、そして可能性に満ちた未来を担う子ども達が数多く存在します。課題も確かにございますが、それ以上に伸びゆく要素にあふれております。私自身先頭に立って真の市政改革を断行し、日本を代表する、世界に冠たる太宰府の実現に向け全身全霊を傾けて参ります。
結びに、改めまして議員各位並びに市民の皆様のご理解ご協力を賜りますようお願いを申し上げ、市長就任にあたりましての私の所信とさせて頂きます。
平成30年2月22日
太宰府市長 楠田 大蔵