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市長提案理由説明冒頭あいさつ(令和2年第3回(9月)定例会・令和2年8月27日)
皆様、おはようございます。
本日ここに、令和2年第3回太宰府市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、大変ご多用の中にご参集いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
予期せぬ新型コロナウイルスの影響で、今年に入りまして実に3月議会以降毎月議会を開催する事態となっておりますが、皆様のご協力に心より敬意と感謝の意を表します。
7月臨時議会以降も、長梅雨による度重なる大雨警戒、全国一も記録した猛暑による熱中症対応、そして第二波真っ只中と言われる新型コロナウイルス対策と困難が続いております。
7月下旬以降新たな陽性判明が増え続け、現時点において
25名となっております。分析を致しますと、やはり学生を始め若い方が多く、現時点で重症者は確認されておりません。
近隣と比べますと人口比で言えば多くはないレベルではありますが、引き続き県や医師会と協力し、いち早い陽性者の把握と重症化を防ぐ適切な措置に力を注いでまいります。
また、長らく国際観光都市であり、昨年は令和発祥の都ともなりました本市にとって、この間の観光客数の激減は、市内経済にとって大変厳しいものがございます。
市民の皆さまには引き続き「新しい生活様式」実践にご協力頂くと共に、市として可能な限りの知恵と予算を投じ、より効果的な対応と安心感の醸成を図っていかなければなりません。
こうした中、今回の9月定例議会は、これまでタイムリーに実践してきた新型コロナウイルス対策の集大成と位置付け、
3億円を超えるコロナ関連補正予算を計上しております。
主なものをあげますと、全国的に問題となっており本市でも起こりました家族内感染をいかに防ぐかが大きな課題と捉え、家族内感染対策事業を編み出しました。
陽性者の濃厚接触者と認定された方のご家族や医療従事者等とそのご家族などについての宿泊費を助成することで、安心できる居場所の確保を促し家族内での感染拡大の防止を図ります。
併せて宿泊者が著しく減少している宿泊施設の活性化を図り、市民生活の安心感の醸成と市内観光業の手当てを同時に行える時宜に沿った市民本位の施策だと自負しております。
次に、コロナ、インフルエンザ対策事業であります。新型コロナウイルスの影響が続き、インフルエンザ感染の流行期と重なることとなった場合、医療現場の混乱は更に高まります。
しかも、両患者は症状が似通っており見極めが難しいとの現場の悲痛な声に応え、重症化のリスクが高い65歳以上の高齢者に対してインフルエンザ予防接種を無料と致します。
これによりインフルエンザの流行や重症化を可能な限り抑え、医療現場の皆様に今なおワクチンの無い新型コロナウイルスへの対応に集中頂ければと切に願います。
次に、市内経済の悪化や市民生活の委縮が続くなか、本市ならではの観光アピールや感染防止対策を取り、対策と経済の両立を目指すべく考えましたのが、コロナ滅事業であります。
古代からの悠久の歴史の中において、目に見えない災いとの関わりを持ってきた太宰府ならではの逆転の発想で、共に疫病に立ち向かうコロナ滅観光ルートを整備し推奨致します。
修学旅行にも最適だと考えておりますし、議会終了後にはモニターツアーを行って私自身も参加したいと考えております。また、ふるさと納税返礼品ノミネートも考えております。
次に、感染防止対策支援事業です。本市を訪れるお客さま、そして本市で経済活動を行われる市民の皆様の為にも、安心感の醸成を図る事が喫緊の課題です。
そこで、既に感染防止対策を行って頂いているもしくは更に感染防止対策に努める事業者の方々に3万円の費用支援と「太宰府“コロナ滅”宣言」ステッカーの配布を行います。
また感染防止対策アイディアコンテストを実施し、特に優れた感染防止対策を実施している事業者に最大10万円の費用支援と好事例として表彰し、広く公表するものです。
続きまして、テレワークやワーケーションなどを目的として太宰府市内にサテライトオフィスを設置する事業者に対して、施設の改修などその開設費の一部を支援します。
都心の物件の三密の環境や高い賃料を嫌い、郊外の物件が再注目されています。自然や歴史、文化あふれる本市こそチャンスだと考え、反転攻勢に努めます。
先日太宰府中学校で子供たちと意見交換を行いました。休校が長引いたことや夏休みが極めて短くなったことなどから、特に受験を控えた中学3年生はストレスや不安が重なっています。
彼らの不安を少しでも解消するため、家庭学習における学びの機会の新たな選択肢として、普及率の高いLINEを活用した受験生向け教育コンテンツを提供致します。
これ以外にも、Withコロナ時代に対応した窓口機能の分散、強化を促すコンビニエンスストア等での各種証明交付の導入や特別定額給付金の基準日以降に生を享けた新生児に対しても一人10万円支給する事業、地域コミュニティや高齢者支援、生活困窮者支援、給食費補助、図書館の充実など総計3億円を大きく超えるコロナ対策予算を計上しております。
ここまで実に総計15億円を超える本市独自のコロナ対策を打つことになりますが、結果として基金を取り崩すことなくここまでやりくりする事が出来そうであります。
その上、質量ともに思い切った対策が打てましたのも、国や県の交付金や補助金だけに頼るのではなく、三本の矢の1億円を生み出したからこそだと自負しております。
まずは、市長車廃止などの身を切る改革を始め大胆な歳出カットにより捻出した1億円、次に昨年の令和効果を反映した市税1億円超、ふるさと納税2億円超の歳入増などによる剰余金1億円、そして4倍増を記録した令和元年度をも大きく上回る勢いのふるさと納税増1億円。この3億円で今回のコロナ対策予算のほとんどを賄ったことになります。
現時点で基金を取り崩すことなく、予備費も1億円積んでありますことから、今後仮に新型コロナウイルスの影響が長引いたと致しましても機動的に対応する余力を残すことが出来ていると考えております。
これもひとえに、議員各位、市民の皆様のご理解ご協力とこれまでの職員の頑張りのおかげだと深く感謝申し上げます。
こうした困難に立ち向かう中でも、捻出した自主財源や国県の交付金、補助金を活用し、施政方針やまちづくりビジョンに掲げる政策も着実に実行して参りました。
「底力総発揮構想」については、福岡県や九州電力との人事交流、市の主要団体で構成するブランド創造協議会とのWithコロナ連携、複数の企業、自治体間の九州観光促進コンソーシアム協定締結、職員採用プロジェクトチームによる人材の確保、太宰府Beautiful Harmony ファンドの設置やふるさと納税による新型コロナウイルス対策支援などを行って参りました。
「全世代居場所と出番構想」については、念願の地域包括支援センターのサブセンター稼働、GIGAスクール構想における
「1人1台」パソコン実現の予算確保、スマイルレターの実施、就職氷河期世代の市職員採用、保育所等新規採用保育士家賃助成事業及び保育補助者雇上強化事業、まちづくりビジョン会議における事業提案などを行っております。
また、水城小学校に通う足が不自由な児童のためにエレベーターを設置する方針を固め、予算提案致しております。太宰府の宝であります全ての子どもたちが、Withコロナの時代にもめげず、これからますますいきいきのびのびすくすくと成長して行けるよう全力を挙げて参ります。
「大太宰府構想」については、昨年のふるさと納税者に対して御礼と新型コロナウイルス対策支援依頼のハガキを郵送し関係人口の増加に努め、本市独自の日本遺産であった古代日本の「西の都」を近隣自治体を巻き込む広域的な形に変更して改めて認定を受け、令和発祥の都PRキャラクターを活用し、史跡客館跡の供用を開始するなど致しました。
「持続可能な太宰府構想」については、新型コロナウイルス対策や大雨対応を進めるなかで防災力を着実に高め、大胆な歳出見直しを実践することにより行財政改革を先取りし、いきいき情報センター1階の活用についてサウンディング調査を行い、LINEを活用した情報配信システム整備の検討を進め、高齢者運転免許自主返納支援などを行っております。
重ねて申し上げますが、依然として新型コロナウイルスの影響は予断を許さない状況でありますが、こうした時こそ行政の出番であるとの強い思いを持ち、発想を柔軟にし、ピンチをチャンスに変えなければなりません。
先日発出した令和3年度経営方針では、まちづくりビジョンをベースに、「経済活性化」「財政健全化」「新たな生活様式」の三つの視点を組み合わせた柔軟な発想に基づく独創的な地方創生を目指すことと致しました。その際、
職員は常に市民本位、現場主義を心掛け、三役や上司との密な報告、連絡、相談を徹底し、責任の所在の明確化、信賞必罰を旨とすること。
職務遂行にあたっては、指示待ちではなく、常に世の為人の為市の為市民の為という当事者意識を持って、主体的、積極的に取り組むこと。
企画立案に当たっては、職員一人一人が前例に捉われず、自由な発想と創意工夫をもって、中長期的視野に立った企画立案を心掛けること。
の三点を常に念頭に置き、三役、新たな人材、生え抜きの職員が刺激しあい、良い伝統は受け継ぎ、改めるべきものは果敢に改め、より良い市政へと更に踏み出して行こう、と呼びかけました。
この未曽有の危機において、職員が一丸となって持てる力を出し尽くし、Withコロナ時代における令和発祥の都にふさわしい太宰府市を改めて創造して参ります。
令和2年8月27日
太宰府市長 楠田 大蔵