本文
市長提案理由説明冒頭あいさつ(令和2年第2回(6月)定例会・令和2年5月29日)
皆さん、おはようございます。
本日ここに、令和2年第2回太宰府市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆さんにおかれましては、大変ご多用の中にご参集いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
第2回定例会の開会にあたりまして、一言ごあいさつを申し上げます。まずもちまして、議員各位、市民の皆さんには、本市新型コロナウイルス対策に多大なるご理解とご協力を頂き厚く御礼申し上げます。
今までのところ市内感染判明者は3名に留まり、いずれも回復されております。人口比や入り込み数から致しましても比較的少数に留まったと言え、対策は一定程度功を奏したと考えております。
そうしたなか5月14日に福岡県における緊急事態宣言が解除され、先日全国でも解除されました。本市においても6月
1日から小中学校の通常登校を再開するなど日常が取り戻されつつあります。
ただし、北九州市においてここ数日立て続けに感染者が判明するなど第二波第三波も心配されるところであります。今後も新しい生活様式を取り入れるなど対策を続けて参りたいと思います。
一方、国際観光都市であり令和発祥の都ともなりました本市の影響は計り知れないものがございます。令和ブームに沸いた昨年4月同月比で観光客が96%減と壊滅的な数字を記録致しました。
全国随一と言っても過言ではないくらい厳しい状況下で、敢えて休業にご協力頂いた参道の方々を始め多くの事業者、また市民の皆さんに今こそお役に立たなければとの思いであります。
そうした思いで、人口7万人余りの本市にとってはかなり大きなボリュームとなります7億円規模の独自支援策を発表し、5億円もの基金を取り崩す重い決断を致しました。
一方で、現時点での国からの臨時交付金はその半分弱に留まっており、この際思い切った身を切る改革に踏み込まなければならないとの強い思いで、1億円余りの歳出カットを断行致します。
まず隗より始めよとの思いで、市長車制度を廃止するなど諸経費を大きく抑制し、議員各位のご協力も頂いて公務費用を削減、また苦渋の決断ですが、敬老会関係費用なども削減をさせて頂きます。
なお、公共事業などにつきましては、新型コロナウイルスの影響で傷付いた地域経済の今後の浮揚のために敢えて削減せず、V字回復につなげたいと考えております。
また、今後の第二波第三波にも備え、子どもたちの学びの保証を確かなものとするためにも、一人一台パソコン完備とネットワーク環境の整備の実現に踏み出します。
次に、新型コロナウイルスのリスクの最前線で献身的に業務に従事しておられる方々に感謝と応援のメッセージを届けるため、市内医科・歯科・薬局に対してクオカード等3万円分を支給します。
次に、急激に厳しさを増す雇用環境の中で、2月より進めておりました就職氷河期世代の職員採用を5名程度の予定から敢えて今回倍の10名を積極採用する事と致しました。
このうち市内在住もしくは出身者が半数、非正規や離職中の方が半数、その他の方も氷河期世代らしい様々な挫折を経験した方々を優先して採用致しました。
こうした事態下でこそ、そうした挫折から立ち直った経験を活かし、本市の苦境を共に救う仲間になれればと思います。7月1日採用予定であります。
また、会計年度任用職員の登用も20名行う予定です。本市は多くの大学、短大が所在する学生の街でもありますので、アルバイト収入が激減している学生の登用も積極的に推進するつもりであります。
また、本年10月に予定しておりました福岡では半世紀ぶりとなる第55回全国史跡整備市町村協議会太宰府大会の今年度開催を断念することに致しました。
私が就任当初から誘致活動を続け、来年3月の大宰府政庁跡史跡指定100年に弾みをつける意味でも期待しておりましたので痛恨の極みでありますが、今後来年以降の開催の可能性を探って参ります。
また、本市の支援策や国の給付の執行状況についてでありますが、既に報道もされましたように、特別定額給付金の給付作業において個人情報が一部流出するという事態が起きました。
市民の皆さんにご心配ご迷惑をおかけしたことは猛省しなければなりませんが、一日も早い給付を実現すべくGwも返上し頑張ってくれていた職員を責めるわけにはいかないとも考えております。
ここは率先垂範三役が監督責任を取り、私が給与の3割、副市長が2割、教育長が1割をそれぞれ3カ月減給することと致しました。二度とこのようなことがないように再発防止に努めて参ります。
給付作業については、5月13日に全3万通余りを郵便局に持ち込み、5月21日にマイナンバー分約800世帯、5月
28日に郵送分を含む約400世帯分の給付を行うなど順調に進めております。
最大30万円のがんばろう令和支援金でありますが、国・県の交付決定を待たずに申請できるようにするなど柔軟な対応を心がけており、既に5月20日に第1回目の振込60件を完了しております。
次に、子どもたちへの千円分の図書カード配布ですが、手書きメッセージを付け、小中学生6582人への配布、未就学児3854人への配送を既に完了しており、喜んで頂いております。
次に、妊娠中の方への応援キット配布につきましては、妊婦さん約400人を対象にこうしたカタログギフト5000円分と3層不織布マスク5枚を6月中に郵送する予定としております。
また、感染リスクを抱えながら作業頂いているごみ収集業者の方々への物資配布につきましては、マスクやアルコール消毒液の提供による支援を進めております。
次に、筑紫食品衛生協会様からご提供いただきました手指消毒液500リットルを、5月24日日曜日に市役所において約250人の市民の皆さまにご提供させていただきました。
ふるさと納税クラウドファンディング「太宰府Beautiful Harmonyファンド」につきましては、目標1000万円のところ現時点で160万円あまりの寄附をいただいております。
また、5月15日から市役所1階でマスク寄附箱に寄附を呼びかけいたしましたところ、現時点で3000枚あまりもの寄附をいただきました。いずれも大切に活用させて頂きます。
最後に、太宰府市にゆかりのある方や私自身親交のある方から太宰府市民の皆さまに思い思いのメッセージを頂戴しておりますので、ご紹介させていただきます。
元号「令和」の考案者とされ、2月に本市にお迎えする予定でした中西進先生からは太宰府の誇りと勇気を呼び起こして頂けるような手書きのメッセージを頂いております。
棋士羽生善治さんからは、甲子園が中止となり悲嘆に暮れる昨年代表校筑陽学園の球児や休校で様々ストレスを抱えた本市の子どもたちに向けた激励メッセージを頂きました。
そして太宰府にゆかりのある歌手の広瀬香美さんからは30秒動画を、タレントのゴリけんさんからは感染の体験記と注意喚起のメッセージをいただいております。
それぞれホームページや市報などで積極的にお知らせし、様々被害を受けられた市民の皆さんの元気を取り戻し、市のV字回復につなげていければと考えております。
今後も、国、県、その他関係各位と緊密に連携、協力を図りながら、新型コロナウイルス対策と被害の克服のために先頭に立って私の持ちうる力のすべてを出し尽くして参ります。
本市がこの危機を乗り越え、令和発祥の都としての本来の輝きを取り戻し、力強いV字回復を遂げられるよう、議員各位、市民の皆さんのご理解ご協力を引き続きお願い申し上げます。
令和2年5月29日
太宰府市長 楠田 大蔵