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市長提案理由説明冒頭あいさつ(令和6年第2回(6月)定例会・令和6年5月31日)
皆様、おはようございます。
本日ここに、令和6年第2回太宰府市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、大変ご多用の中にご参集いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
令和6年度は、楠田市政二期目の公約「令和の都さらに羽ばたく太宰府~課題解決先進都市を目指して~」に基づき、最終年度を迎えるまちづくりビジョンの集大成を念頭に置きながら、本市市政積年のもしくは社会先進的な課題の解決にも果敢に踏み出す「令和の都だざいふ課題解決予算」をもとに、危機管理の徹底強化、子どもまんなかの施策展開、市民と交流人口・ 関係人口の相互発展、新しい公共をテーマとした仕組みづくり、歳出入一体改革の推進を最重点事項と位置づけ、年度当初から機動的に事業を展開しております。
まずは、危機管理の徹底強化であります。国において本年4月24日から熱中症特別警戒アラートという新たな枠組みが設定されましたが、熱中症は日本国内で年間千人を超える死者が出ている実は雨風や地震よりもある意味怖い災害とも言えます。時として気温が日本一を記録することもある全国有数の猛暑地の一つとなった本市は、高齢化率も高く多くの観光客も訪れることからいち早く対策会議を開催し、県内に先駆けて市内17の公共施設をクーリングシェルターに指定し、 マスコミ各社に取り上げられました。
もちろん、梅雨や台風などの出水期を間近に控え風水害被害への備えにも全力を挙げております。今週頭の5月27日には、消防、警察、自衛隊の方々と連携して災害発生予想危険箇所の調査を行いました。今週末の6月2日には職員災害対応机上訓練を行うこととしております。また、簡易トイレなど防災備蓄機能の強化にも努めております。災害発生時に関係機関が緊密に連携し、迅速かつ的確に対応することで、市民や観光客などの生命財産を守れるよう危機管理の徹底強化に努めてまいります。
次に、子どもまんなかの施策展開であります。その中核であるひきこもり不登校等対策パッケージとして、本年度から市立小中学校全てにサポートティーチャーを1人ずつ配置し不登校の子どもを支援するサポートルームを早速設置しました。県内初の取組で、令和の都だざいふの宝である子どもたちが誰一人として取り残されないよう努めてまいります。また、昨年度世界に羽ばたく人材育成表彰を受彰した市内中学生が、 3月のスピードスケート競技会において日本新記録を樹立するなど飛躍を見せてくれています。
その他にも、5月7日には令和4年から着工しておりました水城小学校の新校舎落成式を無事執り行うことができ、続く5月11日には太宰府市移動図書館すくすく号を従来のひよこのキャラクターに加えおとものタビットもあしらったデザインにリニューアルしてお披露目しました。今後も子どもたちを令和の都だざいふの宝としてまんなかに位置付け、いきることをサポートし、すくすくのびのびと成長できるよう、更なる居場所や出番づくりなど子どもまんなかの施策展開を積極的に図ってまいります。
次に、市民と交流人口・関係人口の相互発展として令和改元五年記念事業をスタートしております。元号が令和に改元されて五年の節目を迎える本年度、令和発祥の地として令和の都だざいふのさまざまなプロジェクトを行いますが、その皮切りとして4月29日に記念式典、子ども梅花の宴、大伴旅人像のお披露目などを行いました。また、西鉄福岡駅での電光掲示板や参道でのフラッグ、客館跡のフェンスなどを活用し積極的にPRを展開しております。今後もさまざまなプロジェクトを行ってまいります。
同時に、オーバーツーリズム対策も重要であります。今議会でも提案しておりますが、それに先駆け4月 24日に開催された福岡県市長会の総会において、オーバーツーリズム対策と観光振興支援からなる観光施策を16の市を代表し新規議案として提案し、九州市長会にも盛り込まれました。合わせて、文化財の先進的多用途活用により経済税収効果を高めるという概念も新たに盛り込まれました。こうした取組により、本市の要望を、市長会を通じても国や県へ積極的に働きかけ、成果につなげてまいります。
次に、新しい公共をテーマとした仕組みづくりですが、地域の居場所づくり推進事業について、自治協議会及び市内六つの校区協議会に早速説明を行い、協力をお願いしました。5月24日の自治協議会総会後の防災講座では、自治会の皆様方と地域防災に関する様々な意見交換を行い、自主防災組織の意識付けと自助、共助、公助の連携等について活発に議論を深めたところです。今後も関係団体等が様々なニーズや課題を持ち寄り、対話を重ね、役割を明確化し、課題解決を図る座談会などを重ねてまいります。
次に、歳出入一体改革の推進の一環として本年度からすぐやる班を発足させ、市民からの要望などに対しより迅速かつ的確に対応できるよう体制を強化したところです。早速、市民からの通報を受けたカーブミラーの補正や、京都での桜の倒木事件を受けた桜の木の危険度調査、放置自転車の回収、史跡地の草刈りなどを行い、大きな反響を頂いております。今後は近年とみに社会問題化しているイノシシなど有害鳥獣対策専門のメンバーも新たに加え、市民の皆さまの声がより届く市政を目指してまいります。
こうした施策を機動的に進める中で、光栄なニュースも飛び込んでまいりました。人口戦略会議の発表した「地方自治体「持続可能性」分析レポート」において、本市は全国で65自治体しかない「自立持続可能性自治体」の一つに分類され、その中でも上位22位に位置することが判明しました。1700を超える自治体の中の約1%にも入る水準です。分析を鋭意進めておりますが、福岡市や筑紫野市などの近隣ベッドタウン、類似の観光都市などもこの分類に入っておらず、本市特有の性質があると考えております。
いずれにしても、令和の都だざいふとして歴史や文化に重きを置きつつも、梅プロジェクトを通じた新産業振興や中学校完全給食の実現等による全世代居場所と出番構想などの移住定住戦略や交流人口関係人口施策が軌道に乗って来たと捉えております。今後もこうした客観的データなども参考にしながら、我が国そして地域の共通の課題である少子高齢化や経済停滞、財政の健全化、頻発する災害への対応、新しい公共の仕組みづくり、オーバーツーリズム対策などを先進的に解決に導くべく、果敢に挑戦を続けてまいります。
令和6年5月31日
太宰府市長 楠田 大蔵