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観世音寺宝蔵が新たに国の登録有形文化財になりました。
観世音寺は、七世紀後半に天智天皇が母・斉明天皇の供養のために創建し、天平18年(746)に完成した寺院です。正式な僧侶となる儀式を行うための「戒壇」が設置されたことで、遠方からも多くの仏教者が訪れ、隆盛しました。
令和6年3月6日、観世音寺境内の東側に建つ宝蔵が、国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。この宝蔵は、観世音寺が持つ仏像を保管・展示するため、昭和34年(1959)に伊藤要太郎の設計により建築された、鉄筋コンクリート造二階建の瓦葺きの建物です。境内景観や仏像を展示する内部空間との調和をはかるため、寺院建築の意匠にもとづいた和風意匠でまとめられており、端正かつ優美な戦後の和風建築として評価されました。
観世音寺宝蔵
読み/かんぜおんじほうぞう
所在/観世音寺五丁目51-3
所蔵者/観世音寺
構造/鉄筋コンクリート造二階建、瓦葺
広さ/建築面積340平方メートル
建築年/昭和34年(1959)
登録有形文化財とは
この登録制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたものです。届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置を取るもので、従来の指定制度(重要なものを厳選し、許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補うものです。
有形文化財(建造物)(文化庁ホームページ)<外部リンク>
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