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万葉歌碑一覧
市内に点在する万葉歌碑をご紹介します。設置場所は、下記マップでご確認ください。
1. ここにありて 筑紫やいづち 白雲のたなびく山の 方にしあるらし(巻4-574)
作者:大伴旅人
訳:ここ(大和)から見て、筑紫はどこの方角だろう。白雲のたなびく山の方であるらしい。
設置場所:九州国立博物館西側アクセス入り口
2. わか園に 梅の花散る 久方の 天より雪の 流れ来るかも(巻5-822)
作者:大伴旅人
訳:わが家の庭に梅の花が散っている。天から雲が流れて来るのであろうか。
設置場所:太宰府天満宮境内だざいふゆうえんち入口(九州国立博物館入口横)
3. 万代に 年は来経とも 梅の花 絶ゆることなく 咲き渡るべし(巻5-830)
作者:佐氏子首
訳:永久に年は来て過ぎて行くとも、梅の花は絶えることなく咲き続けることであろう。
太宰府天満宮菖蒲池畔(北側)
4. 妹が見し 楝の花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに(巻5-798)
作者:山上憶良
訳:妻が見た楝(せんだん)の花は、もう散ってしまいそうだ。私の泣く涙はまだ乾かないのに。
設置場所:大町公園
5. 春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ(巻5-818)
作者:山上憶良
訳:春になると真っ先に咲く庭の梅の花を、一人で見ながら春の日を暮らすことであろうか。
設置場所:太宰府市役所前庭
6. しらぬひ 筑紫の綿は 身に付けて いまだは着ねど 暖けく見ゆ(巻3-336)
作者:沙弥満誓
訳:筑紫の綿は、まだ身に付けていないが、暖かそうに見える。
設置場所:観世音寺境内(講堂右池畔)
7. 瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより来たりしものそ まなかひにもとなかかりて安眠しなさぬ(巻5-802)(右)
反歌.銀も 金も玉も なにせむに まされる宝 子にしかめやも(巻5-803)(左)
作者:山上憶良
訳:(右)瓜を食べると子どもが思われる。栗を食べるとまして偲ばれる。
いったい何処からやってきたのか、面影が眼前にむやみにちらついて、安眠させてくれない。
(左)銀も金も珠玉も何になろうか。どんな優れた宝も子に及ぼうか。及びはしないのだ。
設置場所:観世音寺公民館前
8. 大君の 遠の朝廷(みかど)と あり通ふ 島門(しまと)を見れば 神代(かみよ)し思ほゆ(巻3-304)
作者:柿本人麻呂
訳:大君の遠く離れた政庁として通い続ける海峡を見ると、神代の昔が思われる。
設置場所:朱雀大橋付近
9. やすみしし 我が大君の 食す国は 大和もここも 同じとそ思ふ(巻6-956)
作者:大伴旅人
訳:わが大君のお治めになる国は大和もこの筑紫も同じだと思う。
設置場所:大宰府政庁跡前(南側)
10. あをによし 奈良の都は 咲く花の にほうがごとく 今盛りなり(巻3-328)
作者:小野老
訳:奈良の都は咲く花が美しく薫るように今が真っ盛りである。
設置場所:大宰府政庁跡東側(大宰府展示館横)
11. 正月(むつき)立ち 春の来たらば かくしこそ 梅を招きつつ 楽しき終へめ(巻5-815)
作者:紀男人
訳:正月になり春が来たなら、こうして梅を招きながら、楽しさの限りを尽くそう。
設置場所:大宰府政庁跡西側
12. 世間は 空しきものと 知る時し いよよますます 悲しかりけり(巻5-793)
作者:大伴旅人
訳:世の中はむなしいものだとつくづく知る時、いよいよますます悲哀の感を新たにすることだ。
設置場所:大宰府政庁跡(裏側)
13. 我が岡に さ雄鹿来鳴く 初萩の 花妻問ひに 来鳴くさ雄鹿(巻8-1541)
作者:大伴旅人
訳:わが岡に雄鹿が来て鳴いている。初萩の花を妻として訪ねようと、来て鳴く雄鹿よ。
設置場所:大宰府政庁跡西側
14. 大野山 霧立ち渡る 我が嘆く 息その風に 霧立ち渡る(巻5-799)
作者:山上憶良
訳:大野山に霧が立ちこめている。私が嘆くため息の風によって霧が立ち込めている。
設置場所:国分天満宮境内
15. 凡(おほ)ならば かもかもせむを 恐(かしこ)みと 振りたき袖を 忍びてあるかも(巻6-965)(右)
ますらをと 思へる我や 水茎の 水城の上に 涙拭はむ(巻6-968)(左)
作者:(右)娘子(遊行女婦)児島、(左)大伴旅人
訳:(右)あなたが普通のお方ならあれこれいたしますが、恐れ多いので、振りたい袖をこらえています。
(左)立派な男だと思っている私が、水城の上で涙をぬぐうことだろうか。
設置場所:水城跡東門そば
16. 秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花(巻8-1537)
作者:山上憶良
訳:秋の野に咲いている花を、指を折って数えてみると七種類の花がある。
設置場所:落合公園東側
17. 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花(巻8-1538)
作者:山上憶良
訳:萩の花、尾花、葛の花、なでしこの花、女郎花、さらに藤袴、朝顔の花
(いわゆる秋の七草を数え上げて詠んでいる。)
設置場所:落合公園東側
18. 梅の花 咲きて散りなば 桜花 継ぎて咲くべく なりにてあらずや(巻5-829)
作者:張福子
訳:梅の花が咲いて散ったら桜の花が続いて咲きそうになっているのではないか。
設置場所:太宰府市総合体育館(とびうめアリーナ)敷地内
19. いちしろく しぐれの雨は 降らなくに 大城の山は 色付けにけり(巻10-2197)
作者:未詳
訳:目立つほどに時雨は降らないのに、大城の山は色づいたなあ。
設置場所:歴史スポーツ公園内-万葉時計塔付近
20. 妹が見し 楝(あふち)の花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに(巻5-798)
作者:山上憶良
訳:妻が見た楝の花はもう散ってしまいそうだ。私の涙はまだ乾かないのに。
設置場所:歴史スポーツ公園内-大池外周遊歩道北東側
21. 筑紫なる にほふ児故に 奥陸の 香取娘子の 結ひし紐とく(巻14-3427)
作者:未詳
訳:筑紫にいる美しい娘ゆえに、陸奥の香取娘子が結んでくれた衣の紐を解くことよ。
設置場所:歴史スポーツ公園内-大池外周遊歩道西側
22. 湯の原に 鳴く芦鶴(あしたづ)は 吾がごとく 妹に恋ふれや 時わかず鳴く(巻6-961)
作者:大伴旅人
訳:湯の原に鳴く芦鶴は、私のように妻を恋い慕うからか、時の区別なくいつも鳴いている。
設置場所:歴史スポーツ公園内-大池外周遊歩道南側休憩広場
23. 橘の 花散る里の ほととぎす 片恋しつゝ 鳴く日しそ多き(巻8-1473)
作者:大伴旅人
訳:橘の花の散る里のホトトギスは、片恋しながら鳴く日が多いことです。
設置場所:歴史スポーツ公園内-しょうぶ園横
24. 銀も 金も玉も なにせむにまされる宝 子に及かめやも(巻5-803)
作者:山上憶良
訳:銀も金も珠玉も何になろうか。どんな優れた宝も子に及ぼうか。及びはしないのだ。
設置場所:歴史スポーツ公園内-展望広場西側万葉の散歩道
25. 古の 七の賢(さか)しき 人たちも欲りせしものは 酒にしあるらし(巻3-340)
作者:大伴旅人
訳:古の竹林の七賢人たちも、欲しがったものは酒であったらしい。
設置場所:歴史スポーツ公園内-展望広場北西側万葉の散歩道
26. 玉くしげ 芦城(あしき)の川を 今日みては 万代までに 忘らえめやも(巻8-1531)
作者:未詳
訳:蘆城の川を今日見て後は、万代までも忘れられようか。
設置場所:歴史スポーツ公園内-展望広場
27. 梅の花 散らくはいづく しかすがに この城の山に 雪は降りつつ(巻5-823)
作者:大監伴氏百代
訳:梅の花が散るとはどこのことであろう。それどころかこの城の山には雪が降り続いている。
設置場所:歴史スポーツ公園内-展望広場下南東側
28. 春の野に 霧立ち渡り 降る雪と 人の見るまで 梅の花散る(巻5-839)
作者:筑前目田氏真上
訳:春の野に霧が立ちこめて、雪が降っているのかと人が見間違えるほどに、梅の花が散っている。
設置場所:歴史スポーツ公園内-展望広場下東側
29. 路の辺の 壱師の花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻は(巻11-2480)
作者:柿本人麻呂
訳:道端のいちしの花ではないが、いちしろく(はっきりと)人は皆知ってしまった。私の恋い慕う妻のことは。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
30. 忘れ草 我が紐につく 香具山の 古りにし里を 忘れむがため(巻3-334)
作者:大伴旅人
訳:忘れ草を私の下紐に付ける。香具山の故郷を忘れるために。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
31. 春の野に すみれ摘みにと 来し我そ 野をなつかしみ 一夜寝にける(巻8-1424)
作者:山部赤人
訳:春の野にすみれを摘もうと思ってやって来た私は、野に魅せられてそこで一夜寝てしまった。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
32. 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花(巻8-1538)
作者:山上憶良
訳:萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 さらに藤袴 朝顔の花
設置場所:太宰府メモリアルパーク
33. 秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花(巻8-1537)
作者:山上憶良
訳:秋の野に咲いている花を指を折って数えてみると七種類の花がある。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
34. 春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ(巻5-818)
作者:山上憶良
訳:春になると真っ先に咲く庭の梅の花を、一人で見ながら春の日を暮らすことであろうか。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
35. 我が園に 梅の花散る 久方の 天より雪の 流れ来るかも(巻5-822)
作者:大伴旅人
訳:わが家の庭に梅の花が散っている。天から雪が流れて来るのであろうか。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
36. 梅の花 散らくはいづく しかすがに この城の山に 雪は降りつつ(巻5-823)
作者:大監伴氏百代
訳:梅の花が散っているとはどこのことだろう。それどころかこの城の山には雪が降り続いている。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
37. 春の野に 霧立ち渡り 降る雪と 人の見るまで 梅の花散る(巻5-839)
作者:筑前目田氏真上
訳:春の野に霧が立ちこめて、雪が降っているのかと人が見違えるほどに、梅の花が散っている。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
38. 世間は 空しきものと 知る時し いよよますます 悲しかりけり(巻5-793)
作者:大伴旅人
訳:世の中はむなしいものだとつくづく知る時、いよいよますます悲哀の感を新たにすることだ。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
39. 大君の 遠の朝廷と しらぬひ 筑紫の国に 泣く子なす 慕ひ来まして 息だにも いまだ休めず 年月も いまだあらねば 心ゆも 思はぬ間に うちなびき 臥やしぬれ 言はむ術 せむ術知らに 石木をも 問ひ放け知らず 家ならば かたちはあらむを 恨しき 妹の命の 我をばも いかにせよとか にほ鳥の二人並び居 語らひし 心そむきて 家離りいます(巻5-794)
作者:山上憶良
大意:大君の遠い政庁として、(しらぬい)筑紫の国に、泣く子のように慕ってやって来られて、一息入れて休む間もまだなく、年月もまだ経っていないのに、死ぬなどとは夢にも思わない間に、ぐったりと臥してしまわれたので、言うすべもなすすべも分からず、岩や木に向かって尋ねることもできない。家にいたら無事だったろうに、恨めしい妻は、この私にどうせよと言うのか、にお鳥のように二人並んで座って語りあった偕老同穴の約束に背いて、家を離れてしまわれた。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
40. 家に行きて いかにか我がせむ 枕づく つま屋さぶしく 思ほゆべしも(巻5-795)
作者:山上憶良
訳:家に帰って、私はどうしたらいいのか。寝室が寂しく思われるに違いない。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
41. 愛しきよし かくのみからに 慕ひ来し 妹が情の すべもすべなさ(巻5-796)
作者:山上憶良
訳:ああ、いとしいことよ。こんなにはかない命だったのに。私を慕ってやって来た妻の心が、どうしようもなく哀れなことよ。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
42. 悔しかも かく知らませば あをによし 国内ことごと 見せましものを
作者:山上憶良
訳:悔しいことよ。こんなことになると知っていたら、(あをによし)国中をすべて見せてやったのに。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
43. 妹が見し 楝(あふち)の花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに(巻5-798)
作者:山上憶良
訳:妻が見た楝の花はもう散ってしまいそうだ。私の涙はまだ乾かないのに。
設置場所:太宰府メモリアルパーク
44. 大野山 霧立ち渡る 我が嘆く 息その風に 霧立ち渡る(巻5-799)
作者:山上憶良
訳:大野山に霧が立ちこめている。私が嘆くため息の風によって霧が立ち込めている。
設置場所:太宰府メモリアルパーク