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日本遺産のまち・太宰府をめぐって古代へトリップ!

ページID:0016943 更新日:2021年11月4日更新 印刷ページ表示

日本遺産のまち
約1300年前、九州にあった西の都・大宰府。その歴史は『古代日本の「西の都」〜東アジアとの交流拠点』として、日本遺産に登録されています。テーマで選べる4つの散策コースを参考に、日本遺産の構成文化財をめぐり、歴史ロマンあふれる太宰府の魅力を楽しみましょう。

主要スポットを散策!「西の都」をめぐる定番コース

観世音寺

古代・九州の寺院の頂点にあった観世音寺

 

日本遺産のまち・太宰府の構成文化財をめぐる散策コースは、「世界とつながる西の都」「外国使節の道を辿る」「花開く文化」「先進文化の集積をめぐる」というテーマで、4つのコースがあります。その中でもっとも一般的なのは、「世界とつながる西の都」をテーマにしたコースです。

 

かつて九州全体を治めた大宰府は「遠の朝廷(とおのみかど)」とよばれ、「天下之一都会」と称されるほどの大都市でした。古代から中世にかけての大宰府は、日本の宮都だけでなく、海外との交流も盛んだったことがわかっています。

 

「世界とつながる西の都」コースでは、こうした大宰府の史跡・文化財を東西にめぐります。そのなかでも今回は、有名な歴史スポットの「観世音寺」「大宰府政庁跡」「水城跡」について詳しく紹介します。

コースの起点となる「観世音寺」は、最寄りの西鉄五条駅から徒歩約10分。ひとつ隣の西鉄太宰府駅からでも徒歩約15分なので、「太宰府天満宮」を参拝したあとに向かうのもおすすめです。

 

宝蔵の仏像伝統的な校倉造りの宝蔵国宝の梵鐘

(1):宝蔵にある16体の仏像は、すべて国の重要文化財に指定 (2):宝蔵は伝統的な校倉造りをイメージして建てられた (3):国宝の梵鐘は通常、境内の鐘楼に吊るされている

 

「観世音寺」は、7世紀後半に創建した由緒あるお寺です。そのきっかけは、古代の朝鮮三国のひとつ・百済(くだら)の復興救援に尽力した斉明天皇が、現在の九州北部・筑紫で亡くなったこと。その後、子の天智天皇が母親の供養をするために発願し、80年の歳月をかけて建立されました。

 

天平勝宝5年(753)には、聖武天皇に招かれて来日した唐僧・鑑真(がんじん)が訪れ、日本で初めての授戒を「観世音寺」で行ったといわれています。その後、僧侶に戒律を授ける「戒壇院」が設けられ、奈良の「東大寺」や栃木の「下野薬師寺」と並ぶ、「天下の三戒壇」とよばれるようになりました。また「府の大寺」とも称され、九州の仏教寺院の頂点を極めていました。

当時の堂塔伽藍は、度重なる火事や天災で失われてしまいましたが、境内にある「宝蔵」では、平安〜鎌倉時代に造られた貴重な仏像を見ることができます。また、国宝の梵鐘は日本最古の鐘といわれ、菅原道真公が大宰府で詠んだ漢詩『不出門』に、この鐘の音を聞いたことが記されています。

 

※国宝の梵鐘は、2022年3月31日まで「九州国立博物館」に出品されています

 

観世音寺(かんぜおんじ)

電話:092-922-1811

住所:太宰府市観世音寺5-6-1

交通:西鉄都府楼前駅から徒歩20分

料金:拝観無料(宝蔵は大人500円、高校・大学生300円、小・中学生150円)

時間:境内自由(宝蔵は9〜17時)

定休日:無休

駐車場:45台

 

大宰府政庁跡

現在の大宰府政庁跡。正殿があった場所には3つの石碑が立つ

 

「観世音寺」から西へ約10分歩けば、西の都の中心地として栄えた「大宰府政庁跡(だざいふせいちょうあと)」があります。周辺は史跡公園として整備され、美しい自然を感じながら歴史散歩を楽しめます。

 

大宰府の歴史を紐解くと、九州北部に位置する筑紫は、古くから大陸との交流がありました。天智2年(663)に、現在の朝鮮半島で起こった白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)で大敗すると、唐や新羅からの侵攻を防ぐため、筑紫の地に水城(みずき)・大野城(おおのじょう)・基肄城(きいじょう)が築かれます。これらの要塞は現在、すべて国の特別史跡に指定されています。

 

時を経て7世紀後半、3つの要塞の内側に造られたのが西の都・大宰府です。遣唐使として大陸を見てきた粟田真人(あわたのまひと)は、唐の長安をモデルにした奈良の平城京の建造に携わりました。その後、粟田真人は大宰府の長官・大宰帥(だざいのそち)となり、大宰府でも都をイメージしたまちづくりを進めたといいます。

大宰府政庁跡

空撮した大宰府政庁跡を見ると、当時の建物の位置関係がよくわかる。後ろにそびえる山には、かつて大野城が築かれていた

 

大宰府の中核を担ったのは、九州全土を治め、政務や儀礼が行われた「大宰府政庁」でした。大宰府政庁は平城京と同じような朝堂院形式で、回廊で囲まれた長方形の庭の北側に正殿が設けられました。正殿の後ろには、大宰府の長官が執務したと考えられる後殿があり、庭の東西には脇殿が2棟ずつ立ち並びます。

 

周囲の山並みに目をやれば、北の山には「大野城」、南の山には「基肄城」があり、しっかりと守りを固めていたことがわかります。そして大宰府政庁の南に伸びる朱雀大路を中心に、当時は碁盤の目のようにまちが広がっていました。

大宰府展示館大宰府政庁復元模型

(1):大宰府展示館では、遺跡調査で見つかった大宰府政庁の遺構も公開 (2):大宰府政庁の復元模型は必見だ

 

現在ではすっかり街並みが変わっていますが、「大宰府政庁跡」には、建物の柱を支えた立派な礎石が残り、古代のロマンを感じることができます。また、敷地内にある「大宰府展示館」には、大宰府政庁の復元模型などが展示されています。これまでの調査をもとに造られた精巧な模型を見れば、よりいっそうイメージが湧くことでしょう。

 

大宰府展示館(だざいふてんじかん)

電話:092-922-7811

住所:太宰府市観世音寺4-6-1

交通:西鉄都府楼前駅から徒歩約15分

料金:入館 大人200円、高校・大学生100円、小中学生無料

時間:9時〜16時30分

定休日:月曜(祝日の場合は翌日)

駐車場:30台

 

水城跡

現在の水城跡。後ろの盛り上がった場所が土塁の跡

 

「大宰府政庁跡」で西の都の雄大さを感じた後は、さらに西へ向かって「水城跡」を目指します。その道中、徒歩約15分の場所には、聖武天皇の命で建立された「筑前国分寺跡(ちくぜんこくぶんじあと)」や、筑前国分寺にあった七重塔の復元模型を展示する「太宰府市文化ふれあい館(だざいふしぶんかふれあいかん)」もあります。時間があれば、こちらもぜひ立ち寄りましょう。そこから約15分歩けば、水城跡に到着です。

 

唐や新羅など大陸の国から日本を守るための要塞・水城は、白村江の戦いの翌年、天智3年(664)に築かれました。水を貯えた外濠と2段の土塁からなる城砦で、奈良時代に成立した歴史書『日本書紀』には、「筑紫に大堤を築いて水を貯えさせた。名づけて水城という」と記されています。水城は北東に位置する大野城などと共に、内陸への侵入を防ぐ役割がありました。

 

そして大宰府が置かれた後には、まちの外郭の守りとして活躍。東西には大宰府に出入りするための門が設けられました。朝廷から大宰府に赴任した官人にとって、この門は出会いと別れの場。その思いを詠んだ和歌は『万葉集』にも収められています。

土塁の桜と菜の花畑

春には土塁に植えられた桜が咲き、周辺の菜の花畑と美しい調和を見せる

 

「水城跡」には今も、長さ約1.2キロメートルにわたる巨大な土塁が残り、国の特別史跡に指定されています。春は菜の花、秋はコスモスが土塁周辺に咲き誇り、季節の花畑スポットとしても人気です。また、かつて東門があった場所の北側には「水城館」があり、館内の展示スペースでは、水城にまつわる資料や映像を見ることができます。

 

水城跡(みずきあと)

電話:092-555-8455(水城館)

住所:太宰府市水城

交通:西鉄都府楼前駅から徒歩20分

料金:見学無料

時間:周辺自由(水城館は9時〜16時30分)

定休日:無休(水城館は月曜日、祝日の場合は翌日)

駐車場:45台

ほかにも多彩なコースあり!日本遺産の見どころハイライト

日本遺産の構成文化財をめぐる散策コースは、ほかにも3つあります。興味のあるテーマに合わせて、ぜひ散策に出かけましょう。

「外国使節の道を辿る」コース

南館跡榎社の御旅所客館跡
(1):都から赴任した官人が滞在し、菅原道真公も住んだといわれる南館跡。現在は榎社が建てられている (2):榎社の中央にある御旅所。太宰府天満宮の神幸式大祭では、ここに御神輿が運ばれ、道真公の御神霊が滞在する (3):外国使節が滞在し、外交や饗宴、交易が行われたとされる客館跡

 

客館跡→榎社(南館跡)→朱雀門礎石→大宰府政庁跡→大宰府展示館→観世音寺

 

大宰府の中軸線である朱雀大路に沿って、南北に歩くコースです。外国からの使節団をもてなした「客館跡」から、大宰府の中心地「大宰府政庁跡」まで、道中の見どころに立ち寄りながら歩きましょう。最後は「観世音寺」までひと足伸ばして、外国との交流を体感するのがおすすめです。

 

「花開く文化」コース

曲水の宴神幸式大祭宝満山 宝満宮 竈門神社
(1):毎年3月の第1日曜日に、太宰府天満宮で開かれる曲水の宴(きょくすいのえん)。ほかにも七夕の宴や残菊の宴(ざんぎくのえん)など、平安時代から続く伝統行事は、日本遺産の構成文化財に認定されている (2):神幸式大祭では、太宰府天満宮から榎社へ、平安絵巻さながらの行列が練り歩く。太宰府天
満宮でもっとも大切なお祭りとされ、毎年秋分の日の2日前から25日までの期間執り行われる (3):宝満山とそこに立つ宝満宮 竈門神社は、桜や紅葉の名所

 

太宰府天満宮→榎社(南館跡)→宝満宮 竈門神社→宝満山

 

太宰府の美しい自然や、季節の行事を楽しみながらめぐるコースです。平安時代に宮廷で催された伝統行事を今に受け継ぐ「太宰府天満宮」をはじめ、神幸式大祭の舞台となる「榎社(南館跡)」、桜や紅葉の名所として知られる「宝満山」など、万葉歌人や平安貴族に愛された西の都の文化に触れてみましょう。

「先進文化の集積をめぐる」コース

観世音寺 宝蔵遣唐使船の模型大宰府展示館

(1):観世音寺の宝蔵では、国内最大級といわれる高さ503センチメートルの馬頭観音立像などが見られる (2):日本と大陸を行き来した遣唐使船の模型(九州国立博物館展示) (3):大宰府の歴史と文化を紹介する大宰府展示館

 

九州国立博物館→太宰府天満宮 宝物殿→観世音寺 宝蔵→大宰府展示館→太宰府市文化ふれあい館

 

太宰府市内にある博物館や資料館などを訪れ、諸外国との交流によって西の都に集まった文化・文物をめぐるコースです。「九州国立博物館」では日本と外国との文化交流の歴史を学び、「太宰府天満宮」の宝物殿や「観世音寺」の宝蔵では、国宝・重要文化財を含む貴重な文化財を見ることができます。

 

 

西鉄太宰府駅にある「太宰府観光案内所」などでは、日本遺産の散策コースを地図で紹介するパンフレットを配布しています。また、散策に役立つ専用のアプリやWEBサイトもありますので、ぜひ検索してみてください。

 

※掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、お出かけの際は事前にご確認ください。

※料金はすべて取材時点の税込料金です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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