施政方針(平成30年第2回(6月)定例会・平成30年6月4日)

本日ここに、平成30年第2回定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては大変ご多用の中をご参集賜り、厚く御礼を申し上げます。
1月28日、太宰府市第6代市長に就任させて頂いてから4か月余りが経過いたしました。固より浅学菲才でありますが、議員各位の寛大なるご理解、職員諸氏の献身的な支え、市民の皆様の温かいご支援があればこそ、ここまでまずは大過なく職責を果たすことが出来たのだと、感謝を申し上げます。
この間を改めて振り返りますと、三役不在が長く続いていたため投開票日翌日から早速初登庁し、一刻を惜しんで業務説明受けや内部協議などを重ねることで積み残されていた諸懸案の解消に努め、ごく限られた期間ながら第1回定例会に向けての予算案や議案の最終決定も行うなど、私の持ちうる全ての力を注ぎ込んでまいりました。同時並行して職場廻り、現地視察などを進んで行うことで職員諸氏との信頼醸成や現場の把握に努め、各種行事にも自ら積極的に参加することで市民の皆様との触れ合いを大切にし、私なりに風通しの良い市政を心がけてまいりました。今後もこうした姿勢を貫いてまいります。
さて、私はかねてより太宰府を日本を代表する都にするための3つの工程と7つのプランというビジョンを掲げ、市民の皆様にご期待を頂き負託を受けることとなりました。このビジョンの更なる具体化や拡充、今後の工程の作成などについて、従来の施策との整合性も図りながら、職員諸氏とこの間何度となく議論を重ねてまいりました。その肝はやはり、所信表明でも申し上げたように、誇りうる歴史を持ち全国に名を馳せる太宰府の本来持つ底力をいかにして引き出すか、であります。広域的視野と中長期的視点も常に持ちながら、前例にとらわれない成長戦略や生活支援戦略などを通じ、市内外での好循環をもたらすことで、太宰府をより住みやすく元気な都にしなければなりません。
その為にも今こそ、孔子の教え論語にございます「民、信なくば立たず」の精神が肝要であります。本市においても、また我が国にとっても、今ほどこの精神が必要とされる時はないと確信しております。あくまで市民の皆様の信頼があってこその政治であります。そうした思いから私は3つの工程を掲げました。そしてこの4か月間風通しの良い市政を心がけ、かつての体育館建設の単価の全面公開を決断し、予算の事業実施においても丁寧な過程を踏んでおります。これまで政治の道で学んできた自らの全てを今こそ太宰府市政に傾け、市民の皆様、議員各位、職員と心を一つに市政改革を断行してまいります。
今議会では、その第一歩となる平成30年度の補正予算案や重要施策についてご審議賜ります。二元代表制の一翼であり市民の代表たる議員各位と引き続き虚心坦懐に議論を重ねながら、今後の市政運営についてご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
それでは7つのプランに沿いながら、本年度における市政運営の重点施策及び主要施策につきまして概要をご説明申し上げます。
まずは、第1のプラン「市民参画の行政、街づくりで地域創生」であります。
市民の声が届く、市民に声が伝わる市政を実現することで、太宰府の市民力が引き出され、活力ある地域が創生されます。
具体的にはまず「市長と語る会」を実施いたします。既に平成30年度当初予算に計上済みでありますが、私が各自治会など地域に出向いて市民や団体の皆様などと直接懇談し意見交換を行うかたちや有識者の方などに市長室や市役所を訪問頂き、意見を伺うかたちなど、市政や街づくりについて広く市民の皆様や専門家の方々のご意見を頂く風通しの良い市政を創り上げてまいります。
次に、「市三役リレーブログで情報発信」についてであります。執行部からの情報発信につきましては、まず市長就任後、すぐにホームページの市長の部屋を立ち上げ、フェイスブックとの連携によりタイムリーな情報更新を可能にいたしました。また、市民の意見箱に対する回答につきましても、出来るだけオープンかつスピーディーに対応し、積極的に公開しているところであります。今後につきましては、三役体制をいち早く整えたのち定期的に三役会議を行い、その場で政治決断した事項などをタイムリーにブログなどにより情報発信を行い、広報だざいふにおけるリレー形式によるコーナーを設置するなど、市民の皆様へ声が届く市政を実現してまいります。
次に、「太宰府街づくりビジョン会議の開催」についてであります。産業界・市町村や国の関係行政機関・教育機関・金融機関・労働団体・メディア等の分野から選出され附属機関として設置している総合戦略推進委員会の体制を強化し、通常開催分とは別に追加開催分を太宰府街づくりビジョン会議として開催します。民間の視点や国、県、他自治体との連携を加味した意見などを活かし、7つのプランに掲げている内容や更に具体化していきたい案件などを広く協議していただく予定にしており、今後の市政運営に積極的に活かしてまいります。
その他、「地域コミュニティとの協働」につきましては、各校区自治協議会で地域住民の皆様が参加できるようなコミュニティ事業を協働で実施することによって、市民の皆様の地域活動への参加を増やし、コミュニティの活性化を図ってまいります。
こうした施策で、市民力が存分に活かされる都を目指します。
次に、第2のプラン「学問の神様にふさわしい教育、子育て」についてであります。
学問の神様菅原道真公にゆかりのある本市が、そのイメージにふさわしく次代を担う子どもたちに夢と希望を与える先進的な教育、子育てを更に実践することで、特に若年層の劇的な自然増、社会増を実現することも可能となります。
具体的にはまず、「子ども・学生未来会議」を開催いたします。次代を担う子どもたちの街づくりへの参画意識をいち早く高めることを目的として、私自身が直接太宰府市の現状を子どもたちに伝え、市の将来について自由に語り合う場を提供いたします。本会議の企画・運営につきましては、若手職員などによるプロジェクトチームを立ち上げ、本年度は中学生を対象として実施する予定としています。なお、次年度以降は本年度の結果も踏まえた上で、小学生・高校生・大学生による会議も検討してまいります。
次に、「基本教育の充実と先進教育への挑戦」についてであります。新学習指導要領が小学校は2年後、中学校は3年後に全面実施となることから、円滑な移行を支援するために、教職員の研修を充実させるとともに、学校におけるICT環境を段階的に整備してまいります。併せて学校施設の大規模改造に計画的に取り組み、児童生徒にとって学びやすい学習環境の整備に努めます。また、学力については、市内小学校と中学校で統一した学力向上の取組を推進し、児童生徒一人一人の学力保障に努めてまいります。併せて、児童生徒に接する教職員が心身ともに健康であるよう、本年度から、タイムカードによる勤務時間の把握、「市内一斉ノー部活動デー」及び学校閉庁日の設定等、学校における働き方改革にも積極的に取り組んでまいります。その他、プログラミングやものづくり、科学実験、様々な学びの場を提供するスチーム先進教育キャンプの実施に向けた検討を行います。また、第一線で活躍する各界講師を招いての講演会やコンサート、九州国立博物館との更なる連携などにより、子どもたちが将来世界に羽ばたくきっかけになるような情操教育の実践に努めます。
次に、「学童保育の充実と児童活動の応援」についてであります。現在、学童保育所は市内7小学校で17か所開設をしており、その運営にあたっては指定管理者制度を導入しています。入所対象を6年生までに拡大したことや、保護者の働き方の多様化に伴うニーズの高まりにより、近年入所希望者が増加傾向にあり、引き続き現在の運営形態を実施しつつも、利用児童の動向を注視しながら教室の不足等が予期される場合においては、迅速に当該小学校とも協議を進め、利用者の受入等を検討してまいります。
次に、「キャリア教育の充実」についてであります。子どもたちの生きる力を醸成するため、太宰府市の「職業人である大人」が、次世代の主役である中学生の育成に関わるネットワークを商工会などと連携、協力して構築し、小中学校の職業観の育成に関わるキャリア教育、中学校の職場体験などを支援してまいります。本年度はまず事業に協力頂ける事業所リストの作成を行い、早速職場体験にご協力頂きます。
次に、「大学・短大との連携」についてであります。本市では、大学・短期大学の高等教育機関が有する機能と情報を広く地域に開放し、市民の学習活動の振興を図るために、市内に所在する大学および短期大学と市並びに教育委員会で組織する太宰府キャンパスネットワーク会議を平成10年に設立しています。本年は設立から20周年の節目を迎えるにあたり、歴史ある太宰府で学び大きく成長する学生たちの力で太宰府を盛り上げ、これまでの活動で培ってきた交流の輪を、より多くの市民に広げるきっかけとすべく記念事業を開催する予定です。また、平成27年に本市と各大学および短期大学は、連携協力に関する協定書を締結し、現在、文化、教育、学術の分野で相互に協力しております。本年度においても、これまで取り組んできた連携事業の更なる充実を図り、大学等の空き教室の開放に向けて関係機関と協議していくと同時に、小中高生向け事業としての小中学校サポート制度や公益財団法人太宰府市国際交流協会と連携しての国際理解教育への留学生ゲストティーチャー派遣を継続するなど、市内の大学の専門性を活かした事業を展開しながら、地域社会の発展と人材育成の更なる強化を図ります。
次に、「中学校給食」についてであります。既に平成30年度当初予算に計上し、ランチサービスに係る費用を就学援助の対象とした「新しい就学援助制度」を開始いたしました。今後につきましては、まずランチサービスの充実を図ることで喫食率の向上を図りつつ、新たな試みとして家庭と連携・協力し、市内小中学校で子どもたちの実態や地域の歴史・文化を踏まえた太宰府らしい食育の推進を図ってまいります。その上で(仮称)中学校給食調査・研究委員会を速やかに立ち上げ、ゼロベースであらゆる角度から実施方式の検討や財源の検討を行い、私の任期中に一定の方向性を打ち出し、より良い中学校給食実現に踏み出します。
次に、「出産・子育てのサポート」についてであります。妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して、総合的相談支援を提供する「子育て世代包括支援センター」について組織体制と施設の見直し等の調査研究を行います。また、認可保育所につきましては、施設の増改築などに合わせて定員の増加を図ってまいります。併せて定員19名以下の小規模保育施設を1園公募し、特に待機の多い3歳未満児の待機児童の解消を図ってまいります。
こうした施策で、次代を担う子どもたちが主役の都を目指します。
次に、第3のプラン「徹底した行革と超成長戦略で財政再建」についてであります。
本市の未来を見据えれば、財政基盤の強化と持続可能性を実現することが不可欠です。組織横断的に徹底した行政改革による歳出削減を行い、太宰府の底力を活かした成長戦略による自主財源の増加を同時に成し遂げれば、本市の活力は格段に増します。
その為にもまず、更なる「職員の人材育成」が必要であります。市長就任後すぐ職員への訓示を行い、新規採用職員への講話や昼食をとりながらの意見交換も行いました。また、本年度職員採用試験に向けて事前説明会を試みるなど、新たな人材集めにも乗り出しています。この他、職員として目指すべき方向性を導きだすために、既存の人材育成基本方針の改訂にも取り組みます。その際、人材育成基本方針策定委員会を立ち上げ、職員を対象とした意識調査も実施いたします。また、「太宰府市プロジェクト・チームの設置等に関する規定」に基づき、各分野の専門担当者の参画を得て、プロジェクト・チームを設置します。その他、国・県や他自治体を始め民間企業も含めた人事交流で、相互のレベルアップを図るべく、まずは調査研究及び条件整備を行ってまいります。
次に、「市政運営経費の見直し」についてであります。平成28年度決算におきまして、財政健全化の目安の一つであります経常収支比率が90%台と再び上昇してきたことを踏まえ、財政の硬直化の解消に向けた検討に着手いたします。また、併せて臨時的な支出に対応できる財政体力維持のため、基金積み立てによる資金管理など、身の丈にあった執行管理を行うべく検討を重ねてまいります。そこで、まず歳入増加策として施設使用料の見直しを検討いたします。また税外収入の確保策としてふるさと納税の拡充に力を注ぎます。具体的にはポータルサイトの委託数の増加による情報発信の強化と返礼品の発掘、開発業務を大胆に実施し、太宰府のネームバリューを活かして大幅な収入増を目指します。歳出削減策としては本年度中をめどに補助金規則を制定し、補助金、負担金の見直しに着手いたします。公共施設改修予算につきましては、当初予算から切り離したのち自ら現地視察を行い検討を重ねた結果、当初見込額から4分の1ほど予算額の圧縮を決断いたしました。加えて、今後の公共施設等の適切な維持更新を図るため、本年度中をめどに公共施設等再編計画の策定を行います。入札制度については本年度は試行を重ね、来年度の新入札制度導入を目指します。その他、水道会計が行う水道管の耐震化については、一般会計出資債を活用することで、市全体での出費を抑えつつ災害に強い整備づくりを進めてまいります。
次に、「中長期滞在型次世代観光産業など地場産業の創出」についてであります。日本遺産をはじめとする太宰府の魅力を様々な手段でPRするとともに近隣自治体との連携を図り、宿泊、飲食、遊び場、有料観光ガイド等の地場の観光産業の創出を促進することで、中長期滞在型観光の実現を図ります。また、古民家を商業用途に変更して活用する事例が全国において注目されていることから、太宰府市内に点在する古民家の活用について検討してまいります。また、早朝や夜間を楽しむためのメニューを充実させることで、観光消費活動を喚起し、観光客の満足度と経済効果が高まり、税収の向上に繋がる観光産業化を図ります。
次に、「地場みやげ産業の振興」についてであります。1次産業としての農業、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業を結び付け新たな付加価値を生み出すために、農業経営者、JA筑紫、商工会、福岡農業高校など多様な主体による協議の場である(仮称)太宰府市産業推進協議会の立ち上げに向けて調整を図ってまいります。その協議を通じて、太宰府グルメ、新たな地場みやげなどの開発を進め、本市の新たな収入源実現に努めます。
次に、「大宰府政庁復元プロジェクト検討委員会の発足」についてであります。本市には、1300年以上前に、政治・外交・防衛などで日本史上重要な役割を果たした律令官司・大宰府が置かれ、その中枢となる、政庁、周辺官衙、また客館の遺跡は、国の特別史跡大宰府跡として保存、活用されております。再来年度に迎える史跡指定100年に向け、悠久の歴史を紐解く一大記念イベントの開催企画を本年度より始めるとともに(仮称)大宰府政庁復元プロジェクト検討委員会を立ち上げ立体復元など様々な復元方法を検討するなど、市全体の一体的な史跡整備・再整備を検討してまいります。なお、本年度につきましては政庁跡VRコンテンツ利用促進事業を実施し、文化遺産をより身近に感じてもらえるよう展開してまいります。また、11月に開催される発掘50年記念県行事について協力・支援を行うとともに、記録映像等今後制作される予定の成果物については、今後の市の施策にも活用してまいります。併せて、大宰府跡推定客館地区の史跡保存のため遺構表示について準備を進めてまいります。
次に、「先端知的集約産業の創生」についてであります。先進教育などにより太宰府で育った優秀な人材がそのまま郷土で活躍、創業できるよう環境づくりを進めてまいります。まずは、商工会と連携して今後の創業支援事業などについて検討し、空家等の活用も視野に入れたソフト分野を中心としたIT関連事業者をはじめ、あらゆる分野の事業者等の誘致にも率先して努めてまいります。
この他、「計画的なまちづくりの推進」も検討してまいります。太宰府市都市計画マスタープランにおいて「商業・業務」の核として位置づけられております西鉄五条駅及び西鉄二日市駅周辺地区の市街地整備や、佐野東地区の整備等の検討を行うとともに、本市域の都市構造の検証を行い、都市再生特別措置法に基づく「立地適正化計画」を策定いたします。また、増加しつつある空家等の対策として、平成28・29年度に実施しました空家等の実態調査及び所有者への意向調査に基づき、本年度設置いたします空家等対策協議会において議論を重ねながら空家等対策計画の策定を目指します。
こうした施策で、活力ある持続可能な都を目指します。
次に、第4のプラン「積極的広域連携による大太宰府構想」についてであります。
圧倒的知名度を持つ本市は、その強みを活かしながら広い視野で近隣自治体との連携を密にし、その中核として自ら発展するとともに周囲にも好影響を与える役目を果たさなければなりません。
その具体策の一つ目が、「交通大動脈計画の立案」であります。本市における交通インフラが限定的である中、観光客の増加、通過交通量の増加等により様々な問題が発生しています。将来的に更なる人の往来と交通渋滞解消が両立されるよう可能性を追求するために、あらたな交通モード等の可能性等の調査研究を行い、中長期的な交通大動脈計画策定に向け準備を始めます。その前段として、地域公共交通活性化協議会等で議論し、周辺自治体とも連携した広域的街づくりの議論を進めてまいります。本年度につきましては、道路網の計画であります総合交通計画及び地域公共交通網形成計画の2つの計画を、整合を図りながら策定いたします。
次に、「周辺自治体と連携した防災計画および協力体制づくり」についてであります。地震など市域を越えて発生する被災状況を考え、地形、ライフラインなどを考慮して近隣自治体と協力できる事、例えば避難所の相互使用、避難経路、支援物資の拠点などの調査、研究を行い、相互間の補完を考えながら連携してまいります。また、本市の災害時対応で人的な資源が特に必要な支援物資の選別、保管、配布、避難時の移送などの分野を補完するため、民間会社などとの協力体制づくり、協定締結を行ってまいります。さらに市の防災意識の向上を図る方策を得るため、防災関係機関及び協力団体、自治会などとの協議の機会を設けてまいります。
次に、「バス路線の利便性・収益性向上」についてであります。コミュニティバス「まほろば号」につきましては本年度はまず地域からの要望に応えながら適正なダイヤ改正に取り組みます。今後につきましては、運行データの分析を行ったうえ持続可能性と効率性を念頭に置きながら検討してまいります。また、市域を超えた運行については、西鉄と協議を行うとともに「福岡県地方創生市町村筑紫圏域会議」等で協議、情報収集しながら、積極的に可能性を追求してまいります。
次に、「観光連携による回遊性向上」についてであります。本市内の回遊性向上はもちろんのこと、現在も行っている福岡県物産振興会・福岡県観光連盟などと連携した観光宣伝、西鉄沿線観光活性化協議会の自治体などとの連携事業の他、周辺自治体とも緊密に連携し、本市を中核とした広範囲の回遊性を高めるための観光宣伝や観光事業を行い、本市への更なる誘客と宿泊や飲食、買い物などを通じた全体としての消費単価の向上を図ってまいります。その実現に向け、本年度中をめどに観光推進基本計画の完成を図り、本市の観光政策のグランドデザインを提示いたします。
こうした施策で、世界一元気な都を目指します。
次に、第5のプラン「環境重視の逆転の発想で渋滞解消」についてであります。
本市において渋滞問題は喫緊の課題の一つですが、道路整備などハード面での対応には多大なお金や時間がかかります。そこで発想を転換して、環境に負荷をかけず、比較的短期間で渋滞解消を実現する方法を検討してまいります。
まず、「渋滞解消」についてであります。本市は観光集客拠点であり、太宰府天満宮周辺などでの渋滞対策は喫緊の課題です。これまで交通実態調査を行い渋滞の発生メカニズムの検証を行ってきたところですが、平成29年度は、太宰府天満宮周辺地区で調査を実施いたしました。その結果として、高速道や国道・県道が集積する太宰府市域においては、道路の乗り換え・乗り継ぎを行う適地として、様々な通過交通が発生していることも明らかになりつつあります。本年度においては、新たに総合体育館周辺・西鉄天神大牟田線沿線周辺の渋滞実態調査を実施し、その結果に基づき、太宰府市総合交通計画協議会、太宰府市地域公共交通活性化協議会において対策案の構築を図ってまいります。その柱として、ロードプライシングも視野に入れた交通誘導施策やボトルネック化している交差点等の改良などが考えられることから、国・県・警察等関係機関との調整も図ってまいります。また、イベント時の渋滞対策として、パークアンドライドやシェアサイクルの活用など本市にとって最善の方策を検討してまいります。本年度につきましては、既成のイベント時の交通誘導等の課題・問題点の検証を行い、警察・道路管理者等との協議を実施いたします。
併せて、「市道の整備・管理」につきましては、主要幹線道路や交通量が多く舗装の傷みが激しい道路、通学路などの改修や修繕、側溝蓋未設置箇所の計画的施工、街路灯の点検補修や照明のLED化等を行うことにより、安全かつ快適に道路を通行できるように整備してまいります。
こうした施策で市民が主役の快適な都を目指します。
次に、第6のプラン「民間の知恵を生かした高齢者福祉」についてであります。
本市の高齢者も人口の4分の1を超え、そうした方々の活躍の場を更に提供することが必要です。しかし財政的限界もあり、公的支援に過度に依存しない民間主導の方式を活用する必要があります。
まず、「自立支援システムの構築」についてでありますが、地域包括ケアシステムの構築に向け、太宰府市社会福祉協議会と連携して生活支援コーディネーターを配置いたします。また、地域の多様な主体が定期的に情報を共有し、連携・協働により新たな地域づくりを進める場である協議体を設置することにより、高齢者ニーズの把握や資源情報の見える化、関係者間のネットワークづくり、生活支援の担い手の養成やサービス開発の検討を行ってまいります。本年度につきましては、市域全体を対象エリアとする協議体を設置するとともに、モデル地域として中学校区を対象とする協議体を一か所設置する予定にしております。
次に、「高齢者の活動の場の支援」についてであります。介護予防・生きがい活動支援事業、老人クラブ関係事業、老人憩いの場整備事業等を通じ、高齢者の集いや憩いの場を確保するとともに、高齢者が介護予防・生活支援の担い手として活動できるような環境を整えてまいります。本年度につきましては、地域住民が主体となって地域の実情に応じて運営される介護予防・生活支援等の活動に対し、一定の財政支援を行います。なお、当該補助金につきましては、使途を明確化するとともに地域支援事業への移行を検討いたします。併せて、生活支援体制整備事業を進めていく中で、地域の課題解決のための新たな施策を検討してまいります。また、長寿クラブ連合会については、生活支援・介護予防の担い手としての役割も期待されていることから、会員数の増加並びに更なる組織の活性化を図ってまいります。その他、老人憩いの場については、介護予防やサロン活動の拠点機能を持つことから、高齢者の身近な施設としての整備・拡充を図ります。
次に、「地域包括支援センターの相談体制の充実」についてであります。高齢者及びその家族等に対するよりきめ細かな対応に向け、太宰府市社会福祉協議会と連携して、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員等の専門職が地域に出向き、出張相談会を行います。また様々な場を活用しながら介護保険や認知症等に関する相談ブースを設けるなど、アウトリーチ型の相談対応を進めてまいります。併せて、地域包括支援センターの機能強化を図るべく、来年度をめどに地域包括支援センターの支所を一か所増設し、市域の西側を担当圏域とします。同時に東側が担当圏域となる既存の地域包括支援センターには、本所としての統括機能を持たせ、支所との役割分担及び連携の強化を通じて効果的かつ効率的な運営体制を構築してまいります。
この他、「地域福祉活動の推進」につきましては、「第三次太宰府市地域福祉計画」の方向性に沿った事業を推進し、「支え手」「受け手」の関係を超えて、子ども・高齢者・障がい者など全ての人々が、一人一人の暮らしと生きがい、地域をともに創っていく「地域共生社会」の実現に向け、地域住民と行政との協働による包括的支援体制の構築を図ります。また、太宰府市社会福祉協議会が策定した「第三次太宰府市地域福祉活動計画」の取り組みと連携し、更なる地域福祉の充実を図ってまいります。
「障がい福祉の推進」につきましては、障がいのある人に対して、地域の特性や利用者の状況に応じた多様な障がい福祉サービス事業を実施することによって、障がいのある人の日常生活上の困難さを改善し、かつ社会参加の機会を確保し、自分らしい自立した生活を送ることができるよう支援してまいります。
また、「健康づくりの推進」につきましては、元気づくりポイント事業、健康推進員への学習会、校区自治協議会単位で開催される健康フェスタの支援等、地域と連携した健康づくりの推進を図ってまいります。さらに、「宝くじスポーツフェスタ はつらつママさんバレーボール大会」を実施し、広く初心者に対しても募集をかけ、運動をはじめるきっかけ作りにも繋げます。また、この事業を通して、とびうめアリーナの利用促進、施設の周知及び屋内スポーツの振興を図ってまいります。
なお、「病気の予防」につきましては、本年度から50歳以上の市民の皆様に対し、受診間隔を2年に1回とする医療機関での胃内視鏡健診を導入しており、胃がんの早期発見・早期治療のための取組を進め、医療費の削減にも繋げます。
こうした施策で高齢者がうるおう都を目指します。
次に、第7のプラン「防衛省自衛隊と連携した市民の安全安心」についてであります。
かつて防衛大臣政務官を務め、九州北部豪雨災害の対応も経験したことから、防災を始め市民の安心安全の確保にはひときわ強みを活かせると自認しております。
まず、「消防庁、警察庁、防衛省関係機関との協定」についてであります。本年度はまず、想定される地震、豪雨で発生する被害と災害対応を予測、分析するための準備調査を行い、併せて自衛隊や警察などから現時点で可能な支援内容を調査いたします。それを受け、来年度には市における地震、豪雨の災害被害と災害対応についてシミュレーションを行い、実際の災害時にスムーズな対応が出来るよう万全を期します。併せて、平成15年の本市豪雨災害から15年の節目を迎えるにあたり、安全・安心のまちづくり推進大会の内容を拡大充実させ、改めて防災意識の向上を促します。更には、災害時に個々の被災者の被害状況や支援状況、配慮事項等を一元的に集約・管理し、併せて市内部で共有化を図れるよう、住民基本台帳システムとリンクした被災者支援システムを構築し、よりスムーズな被災者対応を可能にします。また、築造設置から相当の年数が経過しているため池を含む多くの農業用施設について耐震診断等の調査を行い、計画的補修を図ります。さらに、土砂災害防止など公益的機能が発揮できなくなる恐れのある森林荒廃の未然防止や荒廃した森林の再生を図るため、県からの交付金を受け、長期間管理されず放置された人工林の調査を実施し、所有者と保安林指定を含めた協定を交わしたうえで強度間伐を行ってまいります。
次に、「ボランティア団体との連携」についてであります。災害時において、公的役割を補うボランティア団体の役割が重視されてきております。本市においては、豪雨災害、地震災害が懸念され、特に地震災害については警固断層の発災により相当な被害が想定されます。このため特に地震災害を経験したボランティア団体のノウハウを参考にするとともに、平時からボランティア団体との協議の場を設定いたします。
この他「防犯体制の整備充実」につきましては、地域の防犯協議会等への参加を通じ自治会に対して子どもの見守り活動や犯罪防止パトロール等の大切さを啓発し、地域の夜間防犯パトロールの回数を増やしてまいります。また、地域見守りカメラを適切な箇所に増設することによって、犯罪の抑止効果を向上させてまいります。
「暴力追放運動の推進」につきましては、暴力追放推進市民協議会の活動を通じ、更に広く市民の皆様に暴力追放に関する理解を求めるとともに、各種団体の協力のもとに市民運動を更に推進することで、市内からのあらゆる暴力追放に努めます。
「交通安全対策の推進」につきましては、道路区画線やガードレール、視覚障がい者誘導ブロック等の交通安全施設の整備改善を進めるとともに、交通管理者と共同してゾーン30の規制を進め、安全かつ快適に道路を通行できるように整備してまいります。
「安全な消費生活の推進」につきましては、契約時に発生したトラブルや悪質業者による被害などの消費生活に関する相談窓口として、市消費生活センターを開設しており、研修等により相談を受ける相談員の更なる資質向上を図るとともに、市民の皆様への出前講座や広報への掲載及び街頭啓発をこれまで以上に行うことにより、消費者トラブルの未然防止につなげてまいります。
こうした施策で市民の安心安全No1の都を目指します。
以上、まずは7つのプランに沿うかたちで平成30年度の主要な施策と事業の概要について、ご説明申し上げました。
この他、「社会保障の適正な運営」「環境政策」「景観づくり」「国際交流・友好都市交流」「人権政策」については「第五次太宰府市総合計画後期基本計画」に基づき、引き続き取り組んでまいります。
まず、「社会保障の適正な運営」であります。「国民健康保険の健全な運営」については、「国保制度改革」によりまして、4月から国民健康保険における財政運営の責任主体が福岡県に移行しました。これに伴い、県が提示する「国民健康保険事業費納付金額」を基に、国民健康保険加入世帯の世帯主に対して所得に応じた適正な賦課・徴収を行い、国民健康保険事業費納付金として県に納めてまいります。また、3月に策定いたしました「第2期太宰府市国民健康保険データヘルス計画」に基づく保健事業の推進及び医療費の適正化に努めながら、国民健康保険事業の健全で安定した事業運営を図ってまいります。
次に、「環境政策」であります。「環境マナーの向上と環境美化の推進」につきましては、市民モラルなどに起因する身近な生活環境に対する相談が多く寄せられているため、市広報やホームページをはじめ、多様化するライフスタイルに応じた、より効果的な手段でマナーアップ啓発を行うとともに、未来によい環境を引き継ぐための環境教育・学習の推進について取り組んでまいります。
「ごみの減量」につきましては、「~もう一歩進もう~ごみ減量72 000人プロジェクト」として各家庭や事業所の協力を得ながら、循環型社会の形成および3Rを推進してまいります。また、本年度は廃棄物組成調査を実施し、その結果をもとに地域の実情に合わせたごみ減量施策を展開することで、ごみ処理にかかる費用の削減を目指してまいります。
次に「景観づくり」であります。「個性ある地域景観の保全・整備」につきましては、本市の位置づける8つの歴史的風致を維持向上する目的で、歴史的風致維持向上計画に基づく各種ハード・ソフト整備事業を行うことによって、本市の個性である歴史とみどり豊かな文化のまちを誇りに思う市民意識を高めてまいります。
次に、「国際交流・友好都市交流の推進」であります。「国際交流活動の推進」につきましては、公益財団法人太宰府市国際交流協会の活動を支援し、在住外国人や留学生との交流事業に参加する市民の増加を図ります。また、在住外国人を対象に英語、中国語、韓国語、ベトナム語で作成している生活情報ガイドブックを改訂し、本市で暮らす外国人に安心・安全・快適に暮らしていただけるよう取り組んでまいります。
「姉妹・友好都市交流の推進」につきましては、市民の皆様に海外姉妹都市である韓国の扶餘郡、国内友好都市である奈良市、多賀城市、中津市との繋がりを理解頂くために、市広報での紹介や公共施設等での紹介パネル展を開催し、姉妹都市・友好都市締結の認知度を高めてまいります。また、市内小中学校と姉妹都市である扶餘郡内の小中学校との姉妹校交流をはじめ、長期的な視野に立った市内団体等民間レベルの姉妹都市・友好都市に関連する交流活動を支援するなど、教育、歴史、文化、観光の分野での交流を図ってまいります。なお、4月には「姉妹都市記念給食」を実施し、私自身が小学生に説明を行い一緒に韓国料理を味わい、率先して交流を進めさせて頂きました。
そして、全ての施策を推進するにあたり基礎となります「人権政策」であります。本市では、「人権尊重のまちづくり推進基本指針」と「実施計画」に基づき、人権尊重の視点に立った総合的な人権行政を進めているところでございます。特に「人権教育の推進」につきましては、家庭、職場、学校、地域などあらゆる分野を通じて、市民の皆様に人権尊重の理念を普及し、理解を深めていただくよう、人権教育啓発推進法等に基づいた教育及び啓発を学校教育とも連携を図りながら進めてまいります。さらには、「部落差別の解消の推進に関する法律」や「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」などの趣旨を本市の「人権尊重のまちづくり推進基本指針」に位置づけ、今後とも国や県と連携を図りながら課題の解決を図ってまいりたいと思います。
次に「男女共同参画の推進」についてであります。第1回定例会において、私は最初の人事として太宰府市初の女性教育長となる樋田京子氏を任命いたしました。今後も引き続き社会のあらゆる分野において、男女が共に参画し、責任と喜びを分かち合い、性別に関わらず個人の能力と個性が発揮できるまちづくりを進めてまいります。また、本年4月には、「第2次太宰府市男女共同参画プラン」を一部見直し、「後期プラン」を策定したところでございます。働き方改革を含めた意識改革や男性の家事育児参加、職業生活と家庭生活の両立支援、DV防止、性的少数者への配慮など今日的課題について、本プランと実施計画に基づき、あらゆる分野において女性の参画を進め、男女がいきいきと輝くまちづくりを目指して、女性の活躍を支援してまいります。
以上、「第五次太宰府市総合計画後期基本計画」に基づいた平成30年度の主要な施策と事業の概要についても、ご説明申し上げました。
結びに改めて申し上げます。本市には誇りうる悠久の歴史や全国に轟く知名度、多くの観光資源等に加え、郷土を愛し情熱を持つ議員各位、職員、市民の方々、そして無限の可能性を秘めた子どもたちという人材も豊富です。ここ太宰府が持つ本来の底力を最大限に引き出すことが出来れば、名実ともに日本を代表する、世界に冠たる都に甦ることも夢ではありません。国、県、近隣自治体との連携を心掛ける広域的視野と、10年、20年、30年先も見据えた長期的視点を持って、私自身全身全霊をかけて政治家としての使命を果たし、その夢の実現に邁進いたします。
どうか、議員各位におかれましては、私の意とするところをお汲み取りいただき、予算案をはじめとする全議案に対し、慎重なるご審議のうえ、ご賛同賜りますよう重ねてお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

平成30年6月4日

太宰府市長 楠田 大蔵


 

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