2019年度「人権講座ひまわり」の報告

今年の人権講座ひまわり 全6講座はすべて終了しました。

人権講座ひまわりは、平成9年度にスタートし、今年で23回目を迎えました。

8月から12月の第1金曜日の夜講座(19時から21時まで 太宰府市南隣保館、プラム・カルコア太宰府)に加えて、11月は昼講座(14時から16時まで)を太宰府特別支援学校にて行っております。

あらゆる人権問題の根っこに共通して存在する「差別」に気付き、「差別」をなくす、一人ひとりの行動へとつながることを目的とした「学びの場」となっています。

来年度も開催予定ですので、来年もみなさんの参加をお待ちしております!

 

ひまわりのイラスト

人権講座ひまわり 報告一覧表

第1回 <演題>西鉄筑紫駅に残る戦争の記憶~銃撃事件から74年~   

           <講師>草場 啓一さん(筑紫野市歴史博物館)

                        相戸 力さん、赤司 孝子さん、首藤 文章さん(筑紫駅惨劇の記憶を残す会)

日時・場所・参加者数
8月2日(金曜日)19時から20時45分 南隣保館にて 138名

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人権講座ひまわり第1講となる8月は「反戦・平和」を考える節目の月として、1945年8月8日11時30分過ぎ、西鉄筑紫駅に近づく約300人余りの乗客を乗せた列車が米軍機により銃撃を受けた事件から「反戦・平和」を考える人権講座を開催しました。

講師として、西鉄筑紫駅銃撃事件を調査・研究された筑紫野市歴史博物館 技師の草場 啓一さん。体験者の方へ聞き取りを行われ、「語り継ぐ筑紫駅惨劇の記憶」冊子を作成・発行された、筑紫駅惨劇の記憶を残す会の相戸 力さん、赤司 孝子さん、首藤 文章さんをお招きしました。

身近で起きた戦争の記憶を残した地元の方のこと、実際に体験された方からの恐怖、悲しみ、平和への願い、そして地元で起きた戦争の悲劇を語り継ぎ「この惨劇を二度と繰り返してはいけない」という強い思いをご講話いただきました。

参加者からは、平和をつないでいくことの大切さ、そのために伝えていくこと、忘れないことなど、自分自身に何ができるかを考える旨の感想が多くありました。

感想、自分にできること、印象に残っていること等を一部ご紹介します。

  • 自分が住んでいる地域の近くであった戦争の話はあまり聞いたことがありませんでした。苦しまれた人々の思いや願いを知ることができました。貴重な機会でした。
  • 当時の方々の話、DVDが印象的に残りました。心が押しつぶいされそうでした。決して再び残らないよう(おこらないよう)伝えていくことが大切だと改めて思いました。
  • 米軍機からの映像が印象的でした。姉を亡くされた方のお話など、とてもつらい内容でしたが、証言をしていただくことで、知ることができました。ありがとうございます。
  • 事実を知ることで、いかに戦争がむごいことかを考えることができます。「知らせる」ことの大事さを痛感しました。
  • 体験された方が「戦争はみじめ」といっておられたのがとても悲しく、印象的でした。九州が、もし占領されていたら、自分はここにいないかもと思い、こわいなとおもいました。
  • 地元の方々が駅舎を残す取り組みをしてくださったり、たくさんの証言を集めてくださった方がいてくださったから、こうして私たちは知ること、学ぶことができているのですから、そういう方々に心から感謝したいと思います。
  • 西鉄筑紫駅の真実を聞けたことが今日の学びです。勤めているこんな近くで、現実にこのようなことが起きたこと、絶対に知るべきだと思います。今の子どもたちに伝えていく必要があると強く思いました。
  • 「平和が一番ええ…」と最初の映像の中で言われた言葉、とても重みを感じました。私たちが今こうやって元気に楽しく生活できているのは、“平和”があってこそだと思います。今の私たちがこの平和を守っていかなければならないと強く思いました。

 

第2回 <演題>オカリナ演奏で学ぶ人権・部落問題学習~学ぶことは、かわること~   

           <講師>山口 裕之さん(元小学校教員、マザー・アース人権啓発研究所 主宰)

    

日時・場所・参加者数
9月6日(金曜日)19時から20時45分 プラム・カルコア太宰府にて 143名

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人権講座ひまわり第2講となる9月は「同和問題」を考える人権講座を開催しました。

講師として、マザー・アース人権啓発研究所 主宰の山口 裕之さんをお招きしました。山口さんは、以前は小学校教員として人権・同和教育をすすめる活動を行っており、当時の生徒や地域の方との暖かい出会いでの学びを通して、現在はご自身で「マザー・アース人権啓発研究所」を立ち上げられ、社会へ向け啓発することを専門に活動してあります。

当日は、オカリナ演奏を通して、人権問題に触れる講座となりました。学校現場に立たれる中での子どもたちやムラの方との出会いからの学び、ご自身の変容、そして「人権のまち」となるためには何が大切かを語っていただきました。

オカリナ演奏と語りの人権コンサートに、参加者からは、「人権問題は身近にあるんだと考えた」「子どもを想う気持ちから人権を考えた。今日帰って子どもと話してみたい」という感想が寄せられました。

感想、自分にで

きること、印象に残っていること等を一部ご紹介します。

  • 何かあったときは、人のつながりが大切であるというところが一番印象に残りました。
  • 「人のつながり」がとても大切で今の自分があるのもそのおかげであると改めて感じさせられた。人は一人では生きていけない。常に誰かに助けられ手をかりているということを忘れることなく、つながり出会いを大事にしていきたい。
  • 貴重なお話ありがとうございました。原点にかえり、自分自身をみつめなおすとてもよい機会となりました。
  • 子ども、家族など人と関わる時、どうしても悪いところに目が行きがちなので、良い部分に目を向けていけるようにしていきたいです。
  • 心いやされるオカリナの演奏と流れるような語り口調とその内容に思わず涙しました。
  • 考え方を変えれば、行動が変わるという言葉を聞き、同和問題に限らず、全てのことで言えることだと思い、感銘を受けました。
  • このようなかたちの講座は初めてでしたが、音色と映像、語りが素晴らしく感じる人権講座だったと思います。音色をききながら、頭の中でいろいろと考えをめぐらす時間が持てました。
  • 「無知は0ではなく、マイナス」ということはドキッとしました。自分にはまだまだ知らないことが多いです。もっと自分から学ぶべきだと思いました。

 

 

 

第3回 <演題>部落差別を問う ~反差別・共感・連帯に向けて~

           <講師>組坂 幸喜さん(部落解放同盟筑後地区協議会 書記長)    

日時・場所・参加者数
10月4日(金曜日)19時から20時40分 南隣保館にて 93名

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人権講座ひまわり第3講となる10月は「同和問題」を考える人権講座を開催し、講師として、部落解放同盟筑後地区協議会 書記長の組坂 幸喜さんをお招きしました。

2016年12月に成立した「部落差別解消推進法」ができた背景には、部落差別が今もなお残っていることがあります。
講話では、現在の悪質な差別事件の現実や、「人権を守る」とはどういうことか、なぜ私たちは「差別をなくす」ためにともに学ぶことが必要なのかということの本質をお話しいただきました。

組坂さんは、部落差別をはじめとするあらゆる差別をなくす運動を進めてこられる中で「差別とはなにか」ということを学び、自分自身の差別心に気づいたといいます。

差別をなくしていくために「差別」を知り、「差別への怒り、悲しみ、なくしていく気持ち」などをいろんな方と共感し、ともにつながっていくことの大切さを発信いただきました。

感想、自分にできること、印象に残っていること等を一部ご紹介します。

  • 今日のお話はとてもわかりやすく時間があっという間でした。インターネット上では、知らないことがたくさんあふれているんだなとショックでした。
  • 差別を共になくすために、自分自身が差別をしないように、もう一度原点にかえった気がしました。なぜ、学ぶのか、どうしたら連帯していけるか、考えさせられました。差別をするために作られた。この差別はほんとうになくしていかなければならないと思います
  • インターネット上での差別の情報に生徒たちが出会ったときどうとらえるのか、家庭でどのようなやりとりがあるのか、そして、それが自分がどうかかわったり、どんな態度で対応することができるだろうかと考えさせられました。本当に正しいものを自分の中でしっかりととらえなければならないと思います。
  • インターネットにここまで同和問題に関する内容が上がっているとは思わなかった。同和問題は年配の方ぐらいしかしてないと思っていたが、ネットによって、また湧き上がってきていることに驚いた。知らなかった現状を他人に伝えたい。
  • 私たちがまず正しい情報を知り、アンテナを張り、立ち止まれる大人であることが大事だと感じました。ありがとうございました。
  • 「差別」の形が変わってきていることを確認しました。子どもたちの周りにある言語環境を複雑で「それおかしいっちゃない?」と立ち止まれる子どもが少ないように思います。
  • 今日の話を聞いて、ネット上にあふれるたくさんの情報を正しいものか間違いなのかを、見分ける力を身に付けることが大切だと感じた。
  • 上野千鶴子教授の東大入学式でのあいさつの動画は、とても印象深かったです。強がらず自分の弱さを認め、支え合う大切さを感じました。
  • ネットの中で責任のない自由が横行している。ということに共感しました。現実こそがバーチャルに対抗するものだと思いました。

 

第4<演題>「在日」として、ヘイトスピーチ解消法成立の背景を見る

           <講師>李  博盛さん (弁護士、ウリ・サフェ副会長、在日コリアン)

日時・場所・参加者数
11月1日(金曜日)19時から20時40分 南隣保館にて 84名

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人権講座ひまわり第4講となる11月は「在日朝鮮人の人権」を考える人権講座を開催し、講師として、在日朝鮮人2世である李 博盛さんをお招きしました。

李さんは、日ごろは弁護士さんとしてご活躍されてあると同時に、「在日の人権と生活を共に創造する」を掲げて日本人とともに結成した市民団体「ウリ・サフェ」の副会長でもあります。

李さんからは、在日朝鮮人の方々が日本社会の中でおかれてきた差別の歴史や、その中で闘ってきたことをお話しいただきました。

また、2016年に成立した「ヘイトスピーチ解消法」の背景にあった、現代社会における特定の人種への差別的言動等についてお話しいただく場面もあり、一人ひとりが正しく歴史を知り、「人種」で個人を見るのではなく、「一人の人間として」の個人を見て、つながりを深めていくことの大切さを発信いただきました。

感想、自分にできること、印象に残っていること等を一部ご紹介します。

  • 先生の生き様、当時の社会背景について学ばせていただきました。とても差別の不当性、そして差別を受けた人の痛みを強く感じました。
  • 日本人であろうがなかろうが、誰に対しても人として接していきたいし、子どもたちにもその精神を伝えていきたい。
  • 戦後から今に至るまで、形を変えながらも差別が存在している点、過去の話でも他人事でもないことを痛感した。
  • 知らないことを知ったことで一方的な見方はいけないなと思った。
  • 国籍ではなく人としての権利を守ることが大切ということを改めて考えさせられました。
  • 今自分が聞いているニュースや情報、当たり前と思っている価値観がふと違うかもと思うことができました。
  • ヘイトスピーチの話しで表現の自由はどこまでなのかという言葉が心に残りました。人それぞれ表現することに自由さはあるけれど、人に迷惑をかけたり、嫌な思いをさせたり、ましてや人を差別するようなことは許されないことだと思います。
  • 互いの立場、想いや願いに耳を傾け、共感していくことは国と国はもとより、自分の身の回りの人と人とのつながりにも直結しているので、自分自身の人とのかかわりにも生かしていきたいです。

第5<演題>ともに生き、ともに学ぶということ~「しょうがい」について考える~

           <講師>江藤 経史さん(福岡県立八女工業高等学校 教諭)

日時・場所・参加者数
11月10日(日曜日)14時から15時40分 福岡県立太宰府特別支援学校 72名

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人権講座ひまわり第5講となる11月の昼講座は「障がい者の人権」を考える人権講座を開催し、八女工業高等学校 教諭の江藤 経史さんを講師としてお招きしました。

江藤さんは、筑後特別支援学校で働いていた経験があり、そのときの子どもたちとの出会いの中での学びをお話しいただきました。「子どもたちの相手の気持ちを想像し行動する姿」や、「何が差別か」をきちんと見抜く力の鋭さなどから、先生自身の学びがとても大きかったといいます。

また、江藤さんは、学校現場での子どもたちからの差別発言や地域での差別事象と向き合い、実践を重ねてこられました。「使ってはいけない言葉はないんだよ」と伝えつつ、子どもたちとともに「『自分の言葉』として、どんな言葉を使うか」を考える人権学習を日々行ってあります。

『言葉』はときに人を幸せにし、時に人と人のつながりを絶つ道具にもなります。

言葉を正しく使うことの大切さや、「誰かを傷つけていないか?」を想像できるようになるための人と人とのつながり、出会いの大切さを発信いただきました。

感想、自分にできること、印象に残っていること等を一部ご紹介します。

  • 職場でも、家庭でも、子どもたちに「使ってはいけない言葉」を注意するのも大事だが、その言葉を使って傷つく人がいるということ、言葉の使い方を正しく学ぶよう伝えていきたいと思います。
  • わが子にも障がいがあり、先生のお気持ちがとてもわかりました。私も自分の子どもを誇りに思う、そんな親でありたいと思います。
  • 「障害」はその人が持っているものではなく、周りの社会が作っているということを学びました。
  • 自分自身どこかで差別的な考えがあるのでは?という言葉に考えさせられました。
  • 人間はきついときに自分より「弱い」という対象にストレスをぶつけるということを聞いて、反省させられる思いでした。
  • すべての子どもたちが安心して過ごせるようにこれからも考えながら関わりを深めていきたい。
  • 人権学習は、「相手を大切にするための学習」ということだけでなく、「自分のもっている権利を学ぶ学習」と聞き、なるほどと思いました。自分自身を大切にするためにも学び続ける大切さを思いました。
  • 「かわいそう」と思う気持ちはないか、という言葉に、私の中にもいるんじゃないかとドキリとしました。
  • 「差別に頼らない生き方」という話がとても心に残りました。自分のきつさを「人を差別」することで解消し、自分を保つする生き方…そんな生き方はしたくないし、とても考えさせられました。

 

第6

<演題>子どもたちとの出会いから~「居場所」って何かを考える~

<講師>

大西 良さん(筑紫女学園大学 准教授)

中山 日向子さん(筑紫女学園大学 学生応援グループ「リッケ」)

長阿彌 幹生さん(不登校サポートネット 代表)

吉儀 亜紀さん(特定非営利法人チャイルドケアセンター 副代表)

日時・場所・参加者数

12月6日(金曜日)19時から21時00分 南隣保館にて 118名

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人権講座ひまわり最終講となる12月の講座は「子どもの人権」を考える人権講座を開催しました。講師として、さまざまな立場から4名の講師をお招きしました。

筑紫女学園大学の大西先生(准教授)と中山さん(子ども応援学生グループ「リッケ」)は、地元の公民館などで学習支援や子ども食堂などの「子どもの居場所づくり活動」を行っています。講座では、地域へ向けて「わたしたちのような活動がなくても大丈夫な社会が一番の理想。地域全体で子どもたちを見守り、育てていってほしい。」というねがいを発信されました。

不登校サポートネットの代表 長阿彌さんは、子どもたちの育つ地域・社会づくりのため、官民を越えての活動を行っています。長阿彌さんは、ご自身の娘さんの不登校体験から、自分自身の考え方や子どもたちとのかかわり方と向き合い、この活動をスタートしたといいます。 「不登校を『悪い』と思っている大人の概念をなくしてほしい」「学校に行かせることが目的となっていないか。行かないことで、この子にとって何がいけないことなのか を考えてほしい」「学校に行っていないことを悲観するのではなく、なぜこの子が行きたくないのか、その背景を丁寧に見ていってほしいと発信されました。

特定非営利法人チャイルドケアセンター 副代表の吉儀さんは、「子どもを真ん中に、地域で育て、育ちあう」をキーワードに、多世代の交流・居場所づくりに関する事業や、子育てのための情報・ネットワークづくりをサポートする活動を学校や行政と連携し、取り組んでおられます。
「どうして子ども食堂が無料で食べられるのか」というお話しでは、周りからのたくさんの応援の中で活動していること、また、活動の中での子どもたちの出会いからは、「子どもたちとたくさん話してほしい。子どもたちの発信に気づいてほしい」という願いをお話しされました。

4名それぞれが、活動を通して出会った子どもたち・親の姿からまた学び、「すべての子どもたちが幸せになるために」ということを中心に置いた実践を、地域で広げています。

受講者からも「日々の子どもたちや、地域にいる子どもたちとの向き合い方を考え直した」「元気をもらった」「一人で悩んでいたけど、きてよかった」などの意見があり、有意義な人権講座となりました。

感想、自分にできること、印象に残っていること等を一部ご紹介します。

  • 長阿彌さんのお話の中で、子どもの一番の居場所は、親の心の中だと言われたことが、印象に残りました。
  • 自分の息子に優しい声掛け、笑顔・・・心がけていきたいと思います。もっと余裕をもって生活したいと思います。
  • たくさん話したいことがあるだろうし、きちんと聞く時間をとってあげようかなと思いました。ご飯を食べるときもちゃんと座って一緒に食べたいと思いました。
  • 子どもは社会で育てるものだということが印象に残りました。私たちも子どもだったことを思い出しました。あの頃辛かったことは、今の子どもたちも辛いだろうと思う。そこを注目、そうすれば、おかしい社会をおかしいといえると思います。
  • 親の安心が子どもの安心につながる。 関わりが持てる場所の大切さを学びました
  • 不登校の孫を見てて、どうしたらよいか私自身が悩んでました。今日の話しを聞いて、何とか光を見つけられた気がします。
  • 子どもたちは大人をよくみている。 子どもたちは私たちが思っている以上に大人に気を使い自分を出せずにためこんでいるということに改めて気づかされました。
  • 表情や言動の案にあるもの、また表に出せていない思いに気づける大人でありたいと思いました。
  • 大西先生の夜回りのお話がとても印象深く残りました。1800人を超える子どもが行方不明になっていることにとても驚きました。スマートフォンの普及により、孤立した子どもが見えにくくなっていることを改めて感じました。
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